京都府中小企業団体中央会の渡邉隆夫会長(西陣織工業組合理事長)は、〝いざなぎ超え〟といわれる現在の景気について、「中小企業においては好況の実感はまったくなく、むしろ厳しい企業経営を強いられている」と危機感を表明しています。
 1日発行の同会機関誌「協同」1月号の07年年頭所感「今年こそ発揮しよう!『地域ブランドの底力』」の中で述べたもの。
 渡邊氏は府内の地域ブランド推進に触れる中で、景気の現状について、「中小企業においては好況の実感はまったくなく、むしろ厳しい国際競争によるデフレ経済に巻き込まれ、先行き展望の見出せない、厳しい企業経営を強いられている」と指摘。東京、愛知など大都市圏での好況が世界的巨大企業によるものであり、「地場産業の繁栄から出発したものではありません」とし、少子高齢化、地方の過疎化が進む中で、「地域の特色ある地場産業、中小企業の衰退が心配されるところであり、地域の崩壊、これまで日本を形作ってきたアイデンティティーの喪失さえ懸念されます」とのべています。
 (写真=4日、同会新年賀詞交歓会であいさつする渡邉会長)