20060917-04.jpg 観世流能楽師片山清司氏は15日、商店街振興組合寺町会が開催した「第16回名匠の宴」(下御霊神社)に出演し、能をわかりやすく解説しました。
 片山清司氏は、9世片山九郎右衛門氏(人間国宝)の長男で、京舞の当世井上八千代さんの弟です。能の世界を広く知ってもらおうと、02年から能の曲を紹介する絵本を執筆し、能舞台などで同書を読む企画を続けてきました。
 商店街振興組合寺町会は、寺町通の丸太町から二条通までの商店でつくっているもの。90年から「名匠の宴」と銘打ち、地域にある下御霊神社を舞台に、狂言、邦楽、和太鼓、クラッシック、タンゴなど多彩な演奏者を招き、秋の夜長のひと時を演出してきました。能の企画は初めてです。
 約400人の参加者を前に佐桑耕市理事長が神社の能舞台であいさつしたあと、片山清司氏が能曲「敦盛」を解説。「平家物語」一ノ谷の合戦で平敦盛が、熊谷直実に討たれた悲劇を、自ら執筆した絵本の絵をスライドで写し、森田流笛方の演奏もまじえながら、情緒たっぷりに説明しました。片山一門が「敦盛」を実際に演じ、片山氏は、衣装を説明。最後に、「平家物語」を取材した能曲「屋島」を片山氏自ら能装束をつけない仕舞で披露しました。
 村上喜一同組合理事は、「片山清司さんに出演してもらい、本当にたくさんのお客さんに来ていただいた。能を身近に感じてもらえる機会が作れたことは良かったと思います」と語っていました。