原爆症認定申請を国が却下したのは不当として、京都、大阪、兵庫の男女6人と死亡した男性の遺族が28日、処分取り消しと損害賠償を求めて大阪地裁に提訴しました。
 京都から提訴したのは04年に亡くなった大坪昭さん(当時76)の妻、郁子さん(74)=京都市南区=ら4人です。
 広島県出身の大坪昭さんは1945年当時、軍隊に教育召集され、同県の世羅部隊(警備隊)に配属され、8月6日広島原爆投下の翌日、同市に入り19日間救援活動に従事しました。その後、高熱や歯茎からの出血、倦怠感、立ちくらみなどに悩まされました。内蔵疾患で入退院を繰り返し、2004年に骨髄異形成症候群と診断され、同年5月に原爆症認定申請をしましたが却下され、同9月に死亡しました。 
 郁子さんは、「夫は、自らの原爆症認定申請の結果を聞かないまま亡くなりました。原爆症認定訴訟と核兵器廃絶の運動を熱心だっただけに無念だったと思います。夫の遺志をついでがんばりたい」と提訴した理由を述べました。
 原爆症認定訴訟は、これまで全国14地裁、1高裁で計182人が提訴しています。8月4日には広島地裁での判決が出ます。