「製造業を中心に景気回復感が大幅に強まるものの、業種別、地域別格差が鮮明になっている」「原材料価格の高騰の継続、長期金利の上昇傾向も見られ、今後注意が必要」-- 京都中小企業家同友会(中沼壽・井上誠二代表理事)は、このほど会員企業を対象に行った2006年1-3月期の景況調査の結果を発表しました(調査対象企業1521社、回答企業216社)。
 「良い」と答えた企業割合から「悪い」を引いた業況判断DI値は3.7で、前回調査(05年7-9月期。-6.5)より10.2ポイントもの大幅な改善を示しました。04年の調査開始以来初めてのプラスですが、精密機械や電気機械など製造業が大幅に改善する一方で、流通・商業が落ち込んでいます。また、京都市内・近郊部=「改善」、京都南部=「大幅な改善」、京都中北部=「やや改善」と、地域間格差も浮き彫りになっています。京都中北部は売上高でも採算でも落ち込んでおり、その要因として降雪の影響による観光客の出足の鈍化や建設工事遅延、また災害復旧工事がひと段落ついたことなどがあげられるとしています。
 次期見通しでは、業況判断では改善の見通しですが、建設業、サービス業の売上高、採算悪化や京都中北部での大幅悪化など、業種別、地域別の格差が明らかになっています。
 全体としてみれば、今回の調査で京都府内でも全国的な景気回復傾向が示されています。しかし、素材・原材料価格の急騰を反映して、仕入価格の上昇が続いていることや、長期金利の上昇傾向も見られ今後の懸念材料にあげられます。製造業の好況が他の業種にまで波及していくのかどうかが今後注目されるとしています。