26年度国保料・府内14市が引き上げ方針 国の「子ども・子育て支援金」上乗せが影響
自営業者や職場の健康保険に加入していないパート・アルバイトの人、年金生活の人などが加入する国民健康保険について、京都府内の15市のうち、14市が来年度の保険料(税)を引き上げる方針であること本紙の調査で判明しました。13市が昨年度に続く引き上げ方針となります。その要因となっているのが、市町村が府へ払う一人当たりの納付金が増額したことに加え、国が新たに導入した「子ども・子育て支援金」が国保料に上乗せされたことです。加入者への影響は大きく、専門家は府の財政支援とともに、国は「支援金」の保険料上乗せをやめ、国庫負担を抜本的に増やして国保料を引き下げるべきと訴えます。
本紙が、府内15市に来年度の国保料(税)の状況について、2月議会の議案書や電話による聞き取りで調査したところ、「現時点では未定」と回答した城陽市を除き、14市が保険料(税)を引き上げる方針としていることが分かりました。今年度は13市が引き上げを実施しており、来年度はそれを上回る数となります。既に、5市が26年度当初予算案を審議する2月議会に関連議案を提案しています。
京都市では、今年度前年比10.4%の大幅引き上げに続き、来年度は6.1%増を予定。5年連続の引き上げ方針の2年目です。長岡京市は、7.5%の引き上げ方針で、年間の一人当たり平均保険料は15万円を超えることになります。
この間、据え置いてきた京田辺市が4年ぶり、京丹後市は7年ぶりの引き上げとなるほか、舞鶴、綾部、宇治の3市は3年連続の引き上げ方針です。
加入者減少で1人当たり納付金は増額
相次ぐ引き上げの要因となっているのが、各市町村が府に支払う納付金です。納付金は、運営を担う都道府県が保険給付費を推計し、それを基に算定。各市町村はこの納付金額を参考に保険料を決める仕組みです。
京都では、府が今年度、納付金を大幅に増額したため、保険料の相次ぐ引き上げとなりました。来年度は、納付金は695億円で、前年比18億円の減となるものの、加入者数の減により、一人当たりの納付金は前年比2387円(1.5%)増の16万5347 円となったことが、保険料引き上げ方針の要因となりました。
さらに引き上げの要因となったのが、来年度から国が少子化対策の財源確保として打ち出した、「子ども・子育て支援金」です。年金生活の高齢者が多く、加入者の所得は低いにもかかわらず、保険料は4人世帯で同じ年収の健康保険料の約2倍にもなっています。「支援金」は医療保険料に上乗せされ、国保加入者の多くは年間約2000~3000円程度の負担増となります。
国保の「構造的問題」、引き上げ抑制へ府は緊急財政支援を
京都社会保障推進協議会政策委員長の中村暁さんは、国保料の負担が重くなるのは、加入者の責任ではなく「構造的問題」と指摘します。「全国的に、被用者保険が小規模事業者や非正規の労働者にも適用拡大され、加入者の中で比較的所得の高い層の人たちが国保から離脱していることが、都道府県・市町村の国保財政の脆弱化に拍車をかけています。国保は崩壊不可避と呼ぶべき状況に陥っており、抜本的制度の見直しが必要だ」と言います。
その上で、「府内の国保加入者の負担は限界を超えています。まず府が各自治体の保険料引き上げを抑えるために、緊急に財政支援を行うとともに、国は公費投入・国庫負担を抜本的に引き上げるべき」と訴えます。
併せて「支援金」について、「給付されない高齢者や単身者などにも保険料に上乗せして徴収することになり、『子育て支援』に名を借りた収奪だ。やめるべき」と主張します。
京都社保協が知事宛て署名呼びかけ
京都社保協は西脇府知事宛てに、市町村が国保料(税)の大幅な引き下げを実施できるよう、府が支援を行うことや国庫負担増と「支援金」の上乗せを止めるよう国に求める、要請署名をスタートしています。問い合わせ℡075・801・2526(京都社保協)。




