補聴器を手に「高齢者に寄り添った助成制度の実現を」と話す粟倉さん

公的補助を求める会「助成額アップ」「利用要件緩和」求めていく

 京都市が2月9日に発表した2026年度一般会計予算案に、耳が聞こえづらくなった高齢者の補聴器購入への助成費が盛り込まれました。市民らは「会」を結成し、公的助成を求めて粘り強い運動を展開し、日本共産党も議会で助成を要求してきたもので、運動と世論、議会での論戦が実りました。一方で、助成額の少なさや制度の要件が高齢者にとって難しいことから、「会」では改善を求めていきたいと訴えています。

 市の予算案によると、助成の総額は2820万円で、1人当たりの上限額は3万円(購入費の2分の1)。受け付けは今年の10月からを予定します。

 加齢性難聴は、75歳以上の約7割に見られるものの、補聴器は片耳で約10数万円と高額のため、所有率はわずか約15・2%(2022年、日本補聴器工業会調査)にとどまっています。

 そのため、全国で補聴器の公的補助を求める運動が取り組まれ、助成制度は全国に拡大。551市町村で実現(全日本年金者組合中央本部調査、1月15日現在)しています。

「補聴器の公的補助を求める会」の「耳の日」宣伝(2025年3月3日、京都市右京区)

 京都でも20年8月、年金者組合府本部や全京都生活と健康を守る会連合会などが集まり、「補聴器の公的補助を求める会」を発足。宣伝や署名活動、自治体との懇談、議会への請願・陳情書提出など、粘り強い運動に取り組んできました。日本共産党も各地の議会で質問を行う中、府内ではようやく、4自治体(京丹後市、精華町が23年度、京田辺市が24年度、大山崎町が25年7月から)で制度がスタートしています。

 京都市で実現すれば対象となる高齢者も多いことから、「会」事務局長の粟倉恵子さんは喜びの声を上げます。同時に、市の制度案には問題点も多いと言います。

 一つは助成額の少なさです。全国を見ると最高額は14万4900円、平均でも3万6000円。府内での最高額は大山崎町の上限額5万円で、京都市との差は実に2万円です。

診断や聴力の他にも要件が

 もう一つは、高齢者にとって要件が難しいことです。京都市は、市内在住で身体障害者手帳(聴覚)を持っていない65歳以上の人で、補聴器専門医から補聴器が必要と判断されたことに加え、別の要件を設定。①各行政区に1カ所(伏見区のみ2カ所)設置されている市の地域介護予防推進センターでの介護予防講座に参加し、聞こえ方のチェックを受ける②補聴器購入後、同センターが開催している介護予防プログラムに参加する─ことなどを求めています。

 粟倉さんは「多くの自治体が年齢や医師の証明、聴力に基準を設けているだけなのに、センターでの取り組みに再三の参加を求める必要があるのでしょうか。介護度が高かったり、交通不便地域に住んでいる人は、最初から認めないと言っているようなもの」と指摘。議会での質疑を通じて、助成額の引き上げと誰でも使いやすい制度となるよう運動を強めたいと話しています。