【衆院選2026/京都から問う】〔OTC類似薬負担増〕患者負担増、医療費削減ストップを/京都府保険医協会理事長・内田亮彦さん

保険外負担拡大で医療保険の空洞化懸念
市販薬と同等の効能があるとされる処方薬(OTC類似薬)について、政府が昨年12月24日、新たな患者負担増の仕組みを創設する方針を決定したことで、この問題は重大な局面を迎えています。
自己負担に加えて特別料金、多くの患者に影響
政府の方針によると、77成分・約1100品目について、通常の自己負担とは別に薬剤費の4分の1を特別料金として追加負担を患者に求め、来年3月から実施するとしました。この追加負担は保険がきかない「自由診療扱い」になるため、消費税10%分がさらに上乗せされることになります。
対象となるのは、花粉症治療でよく用いられる抗アレルギー薬「アレグラ」、うがい薬の「イソジン」、保湿薬の「ヒルドイド」などです。この他にも、日常的に処方される薬が幅広く含まれ、多くの患者さんに影響が出ることは間違いありません。
ただ問題はそれだけにとどまりません。今回の方針は、12月19日の自民党と維新の会の政調会長間合意に基づき、片山さつき財務相と上野賢一郎厚労相との折衝で正式決定しました。
大臣折衝では、来年度以降に「その対象範囲を拡大する」ことや追加負担分の「割合の引き上げも検討する」ことも盛り込まれました。今後、際限のない負担増となる可能性が出てきています。
大臣折衝事項に重大な危険性が
さらに、別の重大な問題も含まれています。それは医療保険制度そのものが空洞化してしまう危険性があるということです。
自民と維新との合意文書では、「給付は高齢者中心、負担は現役世代が中心」の「現役世代の不公平感を払しょくする社会保障制度とする」ことを全面に押し出しました。その結果、大臣折衝事項には「他の被保険者の保険料負担により給付する必要性が低いと考えられるとき」には「保険外負担を求める」ことが盛り込まれました。
つまり、今後はOTC類似薬に限らず、保険で給付されている医療の範囲が縮小され、次々と保険外負担となり得るということです。これでは健康保険制度が形骸化し、「制度あっても給付なし」を招く、過去最悪の制度改定になりかねません。
OTC類似薬の問題はもともと、自公と維新が昨年3月、4兆円の医療費削減で合意したことが契機となっています。追加負担について、政府は通常国会に関連法案を提出し、成立を目指すとしており、それだけに総選挙は重要です。
京都府保険医協会では、OTC類似薬の保険適用除外の撤回を求めてきました。患者負担増や医療費削減をストップする政策の実現を切望します。



