申し入れ書を手渡す大平代表(右)=12月25日、宇治田原町

勝谷町長、根拠・理由付けもなく「政治的主張強い」と議会答弁

 今年2月の宇治田原町長選挙で現職を破って当選した勝谷聡一(かつたに・そういち)町長が、同町の市民団体「まちづくりをともに考える会」(大平勲代表)の懇談要請に対して、「政治色が濃い団体」などとして拒否をし、同町議会の9月・12月両定例会でも、日本共産党議員の質問に同趣旨の答弁を繰り返しています。同会は12月25日、勝谷町長に抗議し、町長選で掲げた「対話重視」などの公約に立ち返ることを求める緊急申し入れを行いました。

 勝谷町長は町長選で▽住民目線▽未来志向▽対話重視――を基本姿勢にした公約を掲げて初当選。町長就任後、町広報紙のインタビューに「住民の皆さん、事業者の皆さん、役場職員の皆さんと一緒になって、考え、アイデアを出し合い、対話を通して、チーム宇治田原として、まちづくりをしていきたい」(「広報うじたわら」3月号)と抱負を語っていました。

 ところが5月中旬、「まちづくりをともに考える会」が懇談を申し入れると、町総務課職員から、「町長は会えない」「(同会が)政治色が濃い団体だから」との連絡がありました。

 勝谷町長は、町議会でも、日本共産党議員の質問に対し「政治的な主張が強い団体からの懇談要請については、お断りしている」(9月定例会)、「政治的主張が強い特定団体との懇談は、他の団体・個人の声を相対的に過小評価する『不公平な情報収集・反映』につながる懸念が生じる」(12月定例会)と同会との懇談を拒否する姿勢を明らかにしました。

 申し入れ書では、「政治的な主張の強い団体からの懇談要請はお断り」との見解を表明したことは、「遺憾極まりない」とし「抗議の意を込めて」緊急申し入れをすると表明。

 同会を政治的主張の強い団体と決めつけ、懇談に応じることが行政の中立性・公平性を損なうとの見解は何を根拠としているのか―と問うとともに、「住民目線」「対話重視」などの選挙公約に立ち返り、住民主体の町政を遂行することなどを求めています。

 申し入れには、大平代表ら4人が参加。同町の総務政策監、総務理事兼担当課長が対応。

 大平代表は、同会がこれまで、▽各区を訪問して避難所についての意見を聞く▽開発問題で環境保全がされているか現地を調査▽官製談合問題で議会を傍聴して経過を住民に知らせる――などの活動に取り組み、町側に問題提起してきた実績があると強調し、「住民とともにまちづくりを考える団体で、政治活動する団体でもなく、政治性が強い団体に当たらない」と指摘しました。

 総務政策監は、「文書で回答する」と述べました。

 なお、同会は同日、教育長に対し、「小中一貫教育校」問題など7項目にわたる教育行政に関わる申し入れも行いました。

「対話を通して、チーム宇治田原として、まちづくりをしていきたい」と抱負を語っていた「広報うじたわら」3月号のインタビュー