『最初の年―民意が生んだ、社会主義アジェンデ政権』チリの巨匠グスマン監督幻の長編デビュー作、日本初公開 中京区・アップリンク京都で上映中

日本共産党・井上哲士前参院議員がアップリンク社長とアフタートーク
チリ出身で、ラテンアメリカを代表するドキュメンタリー映画監督、パトリシオ・グスマンの幻の長編デビュー作『最初の年―民意が生んだ、社会主義アジェンデ政権』(1971年制作)が半世紀の沈黙を破り、日本初公開。現在、アップリンク京都(京都市中京区)で上映中です。12月7日には、日本共産党の前参院議員・井上哲士氏が、アップリンクの浅井隆社長とアフタートークしました。
『最初の年』は、チリ・カトリック大学、スペイン・マドリードの国立映画学校で映画に学んだグスマン監督が、1971年に帰国し、撮影・制作した初長編作。祖国では帰国前年に、共産党、社会党、急進党などからなる人民連合の候補サルバート・アジェンデが大統領選挙で勝利し、米国系大産銅資本の国有化、賃金の大幅引き上げ、徹底した農地改革、市民的政治的自由の確立など、社会主義を実現する課題の追求していました。グスマン監督はアジェンデ政権の政策によって変化していくプロセスを、全国各地で取材して、記録しました。
同作は72年にチリで公開されますが、73年に米中央情報局(CIA)の支援を受けたピノチェト将軍指揮下の軍事クーデターによって人民連合政府は倒され、軍事独裁政権が樹立されるなか、プリントは失われてしまいました。半世紀に及ぶグスマン監督監修下の修復作業が行われ、2023年、デジタル技術による修復「2Kレストア版」が完成。アップリンクの配給で今年、日本で初公開されることになりました。
「暮らし良くなる。政治が変わる」民衆の歓喜
アフタートークで浅井社長から作品の感想を問われた井上氏は、アジェンデ政権が誕生した際の様子を動画で見たのは初めてだったと述べ、「国民が『これから暮らしが良くなる。政治が変わる』と話し、喜びにあふれかえっている姿が印象的だった」と語りました。
議会制民主主義壊したのはアメリカだった
さらに井上氏は、米国や反動勢力が軍事クーデターの道を進まざるを得なかった理由について言及。米国が銅の国際市場をかく乱したり、トラック業界をてこ入れして輸送をまひさせるなどして国民生活を脅かしたものの、73年の総選挙で、人民連合が大統領選挙を上回る得票を得るなど、国民の支持の広がりを食い止められなかったため、と指摘。「『社会主義になると独裁となり、議会民主主義が失われる』などと言う人がいるが、議会制民主主義を壊したのはアメリカだった」と強調しました。
浅井社長から、ニューヨークやシアトルで民主的社会主義者の市長が当選した背景について問われた井上氏は、格差が拡大するなかで、大もうけしている大企業や富裕層に課税するとする政策が支持されたとし、日本共産党も大企業や富裕層に課税する政策を掲げていることなども紹介しました。
アップリンク京都では、『最初の年』の上映に合わせ、アジェンデ政権が軍事クーデターで倒れるまでの最後の数カ月を撮影した『チリの闘い―武器なき民の抵抗』3部作(75年~79年制作)や、グスマン監督の最新作『私の想う国』(2023年制作)も上映しています。
各作品の上映時間・料金などはアップリンク京都のホームページを参照




