御堂筋でアピールする京都の参加者(11月1日、大阪市)

 近畿2府4県の医療従事者らが11月1日、国が狙う薬の保険外しや病床削減に反対し、社会保障の充実を求める集会「Stop! 命を奪う政治」を大阪市内で開きました。京都からの参加者44人を含む350人が集い、集会後、難波(なんば)駅前の御堂筋でアピール行動を行いました。主催は、2府4県の社会保障推進協議会、民主医療機関連合会、保険医協会でつくる「オール近畿アクション2025実行委員会」。

 集会では、診療報酬抑制や病床削減、公的病院の統廃合など、医療を取りまく情勢について、兵庫県保険医協会の西山裕康理事長の基調報告に続き、各府県から、地域医療の実態と運動が報告されました。佛教大学の長友薫輝(まさてる)准教授が学生とともに登壇し、「若い人たちと考える社会保障」と題して、ゼミ講義風の講演を行いました。

 京都府の医療状況を報告した京都医労連の塩見正書記次長は、医師・看護師数が全国平均を下回り、5人に1人が身近な病院に入院できない京丹後市、公的4病院の再編統合が進む舞鶴市の現状と実態調査などの取り組みを紹介。自・維連立政権が合意した11万の病床削減の悪政を批判し、「住民の命と健康を守る共同を大きく広げよう」と呼びかけました。

武器ではなく社会保障にこそ税金を

 長友准教授は、社会保障費を巡って世代間の分断・対立をあおる医療費抑制政策を批判し、国庫負担による社会保障費増額の必要性を指摘しました。

 国に、「診療報酬・介護報酬の大幅引き上げ、武器ではなく社会保障にこそ税金を使うべき」と求める集会アピールを確認。自民・維新による新政権のもと、維新の本拠地である大阪、高市首相の選挙区の奈良は、ともに近畿であり、「悪政と正面切ってたたかう主力は近畿」だと行動を呼びかけました。

 街頭アピールでは、京都府保険医協会の礒部博子政策部員、京都民医連の中川洋寿会長らが、患者負担増につながるOTC類似薬の保険外しに、反対の声を広げようと訴えました。

 同アクションには、日本共産党から、堀川あきこ、辰巳孝太郎両衆院議員がメッセージを寄せました。

街頭で訴える礒部氏(11月1日、大阪市)