訴訟への支援を呼びかける原告の学生ら(左奥)=11月1日、京都市内

 日本の若者17人が国内の火力発電事業者10社に対し CO2排出削減を求めている「若者気候訴訟」(昨年8月、名古屋地裁に提訴)を支援する集会が11月1日、京都市内で開かれ、オンラインを含めて100人以上が参加しました。主催は「若者気候訴訟応援プロジェクト京都実行チーム」。

 集会では同訴訟弁護団の浅岡美恵弁護士が訴訟の意義と争点について解説。原告3人が発言しました。

 浅岡氏は、株式会社JERAをはじめとする火力発電事業者10社で日本のエネルギー起源 CO2の約3分の1を排出しており、各社とも削減目標がないか、不十分だと指摘。各社は被害が軽微で排出削減の法的義務はないなどと主張していることを批判し、「10社は日本の気候変動対策の大きな部分を占める存在であり、原告らに対する権利侵害にあたる。企業も世界水準での排出削減義務を負うべきで、削減の実現、国の政策転換が必要」と話しました。

 また、世界9カ国で気候訴訟が起き、憲法裁判所が2031年以降の排出計画を定めていないことは違憲とした韓国や排出削減は国の法的義務だとしたオランダなどの先進例を紹介し、日本での訴訟の意義を強調しました。

日本の遅れたエネルギー政策変えたい

 原告の立命館大学4回生の堀之内来夏(こなつ)さんは、「日本政府が異常な暑さに対して適応策ばかりいうのは異常だ。気候変動は自然災害じゃない。人災で私たちの選択の結果。被告は削減に本気で取り組む責任がある」と主張。京都大学大学院生の横山椋大さんは、日本の遅れた気候・エネルギー政策を変え、四季と文化を守りたいと述べ、「科学を味方に気温上昇を1・5度に抑える整合性ある削減を求めていきたい」と訴えました。環境活動家の宮澤カトリンさんは、ドイツや韓国など世界で起こされている気候訴訟を紹介し「若者が中心に立ち、画期的な成功例が出てきている。皆さんの力を貸してください」と呼び掛けました。

 次回の第5回口頭弁論は来年1月8日午後2時半、名古屋地方裁判所。若者気候訴訟について詳しくは、https://youth4cj.jp

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