非正規スタッフに朗報 無期雇用転換1年前倒し実現/雇用安定求めてきたKBS労組の成果

民放労連京都放送労組は、非正規雇用(有期雇用)の構内スタッフの直接雇用化や無期雇用転換を実現していますが、今年の春夏闘では、無期転換ルールの適用を1年早める成果を挙げました。
無期転換ルール(改定労働契約法2013年4月施行)は、同一の使用者(企業)との間で、有期労働契約が5年を超えて更新された場合、その労働者(契約社員、アルバイトなど)からの「申し込み」により、「期間の定めのない労働契約(無期労働契約)」が成立する仕組みです。このルールでは通常、「6年目」に申し込み権が発生し、7年目から無期契約に転換する流れとなります。
同労組は今回、5年目の契約更新で雇用期間を13カ月とする覚書を会社と調印。1年に加えた1カ月の延長によって通算の在籍5年を超える条件が生まれるため、申し込み権の発生時期が早まり、契約の5年目終了日の翌日から、無期社員となります。
無期転換予定のスタッフ「安心できる」
KBS京都では、無期転換ルールを使って無期雇用になったスタッフはこれまでに14人。これから無期転換の申し込みを予定する女性は、「派遣社員としてKBS京都に来て直接雇用となり、まさか、1年も早く無期転換になる条件ができるとは驚いた。雇用が守られて安心した」と朗報を歓迎し、「いままで以上に頑張りたい」と仕事への意欲を語っています。
脇田滋・龍谷大学名誉教授(労働法)は、労働者の権利実現、処遇改善に継続して取り組んできた労組の成果だと高く評価し、「欧州では、臨時的事由のない有期契約を制限しているし、上限設定方式では2年以内の国が多い。日本でも5年を待たずに無期転換を認める協約や労使合意が現れてきた。多くの職場でKBS労組の“組合らしい当たり前の活動”に続いてほしい」と話しています。