府が亀岡市で建設を計画する球技専用スタジアムをめぐり、府は今月20日に亀岡市内でスタジアム工事の着工(起工式)を実施すると発表しました。多くの府民・市民が反対する中での着工強行の姿勢に、抗議の声が広がっています。

 府は同スタジアム工事の一般競争入札を行い、予定価格93億1500万円に対し、93億円(落札率98・84%)で「竹中工務店・公成建設・長村組JV」に決定。昨年の府議会12月定例会で、工事請負契約を強行しました。

 スタジアム建設をめぐっては、市民や専門家から水害拡大への懸念や、国の天然記念物アユモドキの生息環境への影響、巨額な予算、不十分な情報公開・住民説明などが批判されてきました。

 水害問題では、予定地が戦後10数回以上も浸水被害を繰り返してきた水害常襲地で、治水の専門家からも計画反対の声が上がりました。予定地を含む、亀岡駅北土地区画整理事業に対しては、周辺への水害を広げるとして、住民らが中止を求めて京都地裁に提訴し、裁判が続いています。

 亀岡市は2014年に約14億円で当初のスタジアム用地を購入しましたが、アユモドキ保全調査に時間がかるとして、16年8月に現予定地に変更。新たに、府・市合わせて約34億円(府が13億7000万円負担)で現予定地を買収しましたが、府の環境保全専門家会議は「問題があれば工事を中断する」との条件を付けるなど、アユモドキの生息環境への影響の恐れは解消されていません。

 また、亀岡市民からスタジアム計画中止を求めて1万2500人分以上の請願署名が提出(17年3月)され、住民説明会でも治水や環境破壊などの批判意見が相次ぎましたが、なんら解決策を示さないままです。府や亀岡市に対し、スタジアム建設差し止めを求める関連訴訟も継続中です。

 スタジアム関連住民訴訟の原告代表をつとめる高向吉朗さんは府の着工表明を受けて、コメントを発表。改正水防法(15年施行)では1000分の1確率(1000年に1度)規模の洪水への対応を求めているのに対し、府はスタジアム建設で「10年に1度の洪水」に対応したとして建設を強行しようとしてていることなど治水問題や、情報公開・説明不足、財政問題などを指摘し、中止を求めています。

 日本共産党府議団は昨年12月、府がスタジアム工事請負契約を強行可決したことに抗議する声明を発表。治水やアユモドキ保全など住民無視で計画を進めてきたことを強く批判し、建設中止を求めて全力を尽くすとしています。