「憲法9条と平和への、あなたの思いを聞かせて下さい」―向日市では「9条の会」向日市連絡会が、「憲法の心をつづる」市民のメッセージ運動と合わせて全国統一署名を広げています。

■1000人集め冊子に

 メッセージは、文章でも俳句や短歌、散文でも、100文字以内なら形式は問いません。一人500円の協賛金をもとに、1000人の「憲法の心」を集めた冊子を作る計画です。行きつけの喫茶店やサークルの仲間に呼びかけ、10歳から86歳まで441人(12月21日現在)の思いが寄せられています。

 「亡くなった祖母から満州での戦争の話を何度も聞いた」、「戦地から帰ってきた親から生まれた私たちは、この憲法と共に育ってきた…」と受け継がれる戦争体験や、夏に祖母と訪れた広島で、原爆の恐怖を引き寄せ「戦争に反対」と記した小学生のメッセージなど、
100字ながら思い入れは千差万別です。

 同連絡会は、6つの小学校区のそれぞれの地域の会と乙訓医療生協9条の会、新婦人向日支部で構成。毎月9日に合同宣伝をする以外は、それぞれの会で工夫を凝らし活動しています。

 向陽校区は、推進チームを作ってメッセージ運動を先行。つながりを生かしてけん引する真柄幸枝さん(78)は、「日頃の付き合いではなかなか知ることのない相手の人生にふれて、戦争にまつわる体験を聞き取り語り継ぐ行いなんだと実感します」と言います。相手が、署名を広げる担い手になる経験が次々生まれています。

■「9条だけは変えるな」喫茶店店主が協力

 メッセージ運動に賛同した、喫茶「あい」の店主(65)は、「孫が戦場に行く時代になったら困る。9条だけは変えるなという戦争体験者の言うことを安倍首相は聞かなあかん」と話し、店に署名用紙も置いて協力。そこに常連の女性客が、「仕事先で集めてくる」と買って出て、60人以上から集めてきてくれました。

 メッセージ運動を提案した望田幸男・同志社大学名誉教授(86)は、「思いを書くには自発性が必要で、対話に時間はかかるが、戦争体験と改憲問題を連動させ、地域から改憲ノーを示す力となる運動だ」と期待します。

(写真=各校区の会がオリジナルプラスターを持ち寄り、連絡会として毎月9日に阪急東向日駅前で取り組んでいる宣伝行動

(「週刊京都民報」1月7日付より)