戦争遺跡など近現代の遺跡から文献ではわからない歴史を探ろう、という「近現代考古学」をテーマにした研究会が27日、立命館大学(京都市北区)で開かれ、学者・研究者ら約40人が参加しました。
 研究会は、同大学文学部の木立雅朗助教授が中心となって企画され、▽戦後まで化学磁器・理化学用陶磁器を製造していた五条坂の窯跡調査▽京都でも製造された陶器製手榴弾の発掘調査▽終戦直後、京都市内に埋められた武器の発掘調査▽軍国絵馬と軍国人形の調査ーーなどが報告されました。
 現在、遺跡発掘調査では、地域にとって特別重要視されるものをのぞき、室町以降の地層は調査せず重機で削りとるのが一般的。ところが近年、戦争遺跡が全国的に調査・報告され、京都御苑内の和風迎賓館の建設にともなう発掘調査でも江戸期の地層から公家屋敷群が浮かび上がるなど、近現代の遺跡の重要性に注目が集まるなか、「近現代考古学」が提唱されるようになったものです。
(写真=展示された陶器製手榴弾の破片に見入る参加者)