京都市に署名を提出する「考える会」の住民ら(右)と(左から)蔵田、玉本両京都市議(11月10日)

 群生するカキツバタ(国の天然記念物)で有名な「大田神社」(京都市北区上賀茂)に隣接する土地の開発計画を巡り、住環境保全を求めている住民団体「大田の沢と杜、住環境を考える会」(梅辻諄代表)は11月10日、京都市長宛の署名2864人分を追加提出しました。この日の署名提出の際、要請していた項目の一つである、沢の水脈調査が実施されていることがわかりました。

 署名は、▽大田の沢が枯れることのないよう施主・施工業者に水脈の調査、保全の指導▽「個人住宅」を宿泊施設として利用しない旨の協定書を住民と締結するよう指導▽景観保全—などを市長に求める内容。5月末から取り組み、提出は4回目で、計8137人分に達しました。

 住民らは、「開発業者は『宿泊施設はつくらない』と表明しているが、住民との協定書がまだ結ばれていない」「沢の東側でボーリング調査が始まっている。水脈に影響しないか」など、不安や懸念事項を伝え、京都市に対応を求めました。

 応対した市文化市民局文化財保護課の担当者は、ボーリング調査について、業者による水質調査のためのもので、1年程観測して様子を見るものだと説明しました。

 「考える会」は、住民の要求をもとに引き続き、運動していくことにしています。署名提出には、日本共産党の蔵田共子、玉本なるみ両京都市議が同行しました。