集会後、会場周辺をデモ行進する参加者(11月9日、京丹後市)

 京丹後市の米軍基地「経ケ岬通信所」の撤去を求める「米軍基地いらんちゃフェスタ2025」が11月9日、同市の京都府丹後文化会館で開かれ、府内各地から450人が参加しました。高市政権による攻撃用・長射程ミサイル配備など大軍拡の前倒しが狙われるもと、「京都を日米一体の出撃基地にするな」と訴えました。

 同基地周辺住民らでつくる「米軍基地反対連絡会」と「米軍基地建設を憂う宇川有志の会」が共催しました。主催者を代表し、「憂う会」の増田光夫代表があいさつし、騒音やレーダー不停波など米軍最優先の実態や反対運動の経過を報告。高市政権が大軍拡の前倒しに留まらず、「台湾有事は存立危機事態になりうる」と国会答弁するなど日米一体の戦争への道を進んでいるとし、「隣人、若者、子どもに、平和がどれだけ大切か、戦争をしてはならないと語っていくことが大事になっている」と強調しました。

 府内の大軍拡の実態について、各地の住民団体が報告。「京都・祝園(ほうその)ミサイル弾薬庫問題を考える住民ネットワーク」の神田高宏さんは、陸自・祝園分屯地(精華町、京田辺市)における全国最大数の長射程ミサイル保管用の大型弾薬建設について、「弾薬庫は平時から事故の危険があり、有事は攻撃対象になる」と反対を訴えました。

 「憲法・平和舞鶴ネット」の小西洋一さんは、海自・舞鶴基地への攻撃用ミサイル・トマホーク配備、弾薬庫建設、司令部地下化などの軍事強化について報告し、「専守防衛から敵基地攻撃へと変わろうとしている。絶対に許されない」と強調しました。

 福知山平和委員会の水谷徳夫さんは、2017年から始まった同通信所の米軍属による福知山市の陸自射撃場での実弾射撃訓練について、「当初は、軍属のライセンス更新が名目だったが、米軍が機関銃の訓練も行うようになった。約束違反を一つずつ正さないといけない」と訴えました。

 同「憂う会」の永井友昭さんは、2014年の米軍基地設置から、日常的に基地の「監視」を続ける中で、日米共同の基地警備訓練の様子が変わってきていると指摘。今年と昨年の訓練では、訓練に用いる自衛隊車両を元中学校跡地に駐車しており、「民間の施設を使うことが前提となってきている」と述べ、より実践的な訓練内容への危機感を語りました。

 協賛団体の「米軍Xバンドレーダー基地反対近畿連絡会」、「止めよう!経ケ岬の米軍レーダー・危険な戦争準備を許さない緊急京都府民の会」、「米軍基地いらない京都府民の会」の各団体があいさつ。「府民の会」の片岡明さんは、「来年は知事選の年、京都を戦争拠点にするなと大軍拡を本気で止める力にしていこう」と呼びかけました。

 集会後、「米軍基地撤去、京都を出撃基地にするな」などと唱和し、会場周辺をデモ行進しました。