「台湾有事」参戦させないために 共同通信・石井暁氏が講演/近畿弁護士会憲法市民講座

安保3文書策定以降、九州や沖縄、南西諸島を中心に全国でミサイル配備や弾薬庫増設など基地強化が進んでいいます。近畿2府4県で進行するこうした軍拡の状況を共有し、戦争を起こさせないために市民ができることを考える憲法市民講座(近畿弁護士連合会主催)が10月25日、京都市中京区の京都弁護士会館で開かれました。
共同通信社で防衛省担当を30年以上務め、近著に『防衛省追及』(地平社)がある石井暁氏(立命館大学特任教授)が「『台湾有事』に突き進む日米同盟」と題して基調講演しました。
安保3文書で「戦争する国」に
石井氏は、米下院議長の突然の台湾訪問(2022年8月)に端を発して、中国側が台湾を取り囲む軍事演習を繰り返したり、長崎県上空の領空侵犯や太平洋公海上への大陸間弾道ミサイル発射などの動きを見せると、日本側も海自護衛艦が初めて台湾海峡を通過し、米インド太平洋司令官が中国侵攻の場合には台湾海峡が「地獄絵図になる」と発言するなど、米・中・日各国の言動がエスカレートしていると指摘。今年3月に、米国防長官が「台湾有事」を念頭に「日本が最前線になる」と自衛隊の「参戦」を示唆する発言を行った背景として、「安保法制と安保3文書により、日本が法的にも実質的にも『戦争できる国』から『戦争する国』に変えられてしまった」と述べました。
日米一体で「戦争準備」加速
さらに、米軍も自衛隊も「台湾有事」を想定して、新たな部隊発足や住民避難のシミュレーション、さらに「共同作戦計画」をまとめ、それを日米共同演習で検証するなど「戦争準備」を加速させている状況に重大な懸念を示し、日本が参戦しないために取り得る方策として、「特効薬はないが、なにより関係国への外交努力が必要」と述べ、中国に対しては武力侵攻ではなく平和統一を求めることをはじめ、米側にも「日本が参戦しない」選択肢を捨てさせないことが重要と強調。切り札として、日米安保条約第6条の交換公文に基づく「事前協議制」を活用し、沖縄・嘉手納基地から米軍機を出撃させなければ、米軍は台湾有事に軍事介入できないと解説しました。
石井氏は最後に、安倍元首相は安保法制定時に「米国の戦争に巻き込まれることは絶対にない」と明言したが、現実は集団的自衛権行使容認で台湾有事に巻き込まれる危険性は格段に高まっていると述べ、「今こそ憲法9条の平和主義に立ち返るとき」と締めくくりました。
各府県の弁護士が近畿で進む軍事強化の現状を報告。京都からは、白土哲也弁護士がトマホーク配備や司令部地下化が計画されている海上自衛隊舞鶴基地や敵基地攻撃用ミサイル保管のための弾薬庫増設が進められている陸自祝園分屯地の状況を報告しました。



