京都市の男女共同参画推進の拠点施設「ウィングス京都」(京都市中京区)

村山候補「どちらともいえない」「男女共同参画貢献に疑問」

松井、二之湯両候補は回答なし

 施設機能の縮小につながる「民間への貸与」などが検討されている「京都市男女共同参画センター(ウィングス京都)」=京都市中京区=の在り方について、京都市長選(2月4日投票)の立候補者に尋ねたアンケートで、「存続・機能の充実」を表明したのは、福山和人候補(「つなぐ京都2024」、無所属・新人)だけでした。

 京都の男女共同参画施策の推進を求める市民団体「京都の男女共同参画を考える会」が、同市長選にあたって、公開質問状を各候補者に送付し、回答を公表(1月27日)しました。

 「ウィングス京都」は、京都市の男女共同参画に関する施策・事業を推進するための拠点として、多くの女性団体の運動を背景に京都市が1994年に開設。各種講座や情報発信、性暴力の相談やシングルマザーの支援、市民団体の活動の場の提供など多くの事業を担っています。

 しかし、京都市の「行財政改革計画」(2021年8月策定)の中で、「府市類似施設や民間、他機関の状況、立地条件などの資産として市場価値を踏まえ、民間移管、存廃や必要な機能に応じた施設の在り方を検討」する対象に「ウィングス京都」を入れ、22年6月には、ウィングス京都の事業に必要となる施設の基本的部分について、民間に貸与するためのサウンディング調査を実施しました。

 こうしたもとで、ウィングス京都の存続・充実を求める市民団体(「ウィングス京都☆みんなの会」)が22年に3月に発足したほか、京都弁護士会は、「民間企業等への貸与に強く反対」し、存続・充実を求める要望書を市に提出(22年10月)しています。

 公開質問状では、男女共同参画施策の総合的な推進について、「京都市男女共同参画センター(ウィングス京都)については京都府男女共同参画センターとの統合による廃止や機能縮小などが検討された過去がありますが、存続して機能を整備・充実させますか」と問いました。

 回答したのは、福山和人、村山祥栄の両氏。松井孝治、二之湯真士両氏は期日までに回答はありませんでした。

 福山候補は、「存続・機能充実」に「はい」として、「ジェンダー平等推進と女性福祉のための相談と情報交流、調査・啓もうの拠点として発展」させると述べています。

 村山候補は、「存続・機能充実」に「どちらともいえない」と回答し、「男女共同参画に十分な貢献をしているか疑問なところもあり、 男女共同参画の各施策を見直し、ウィングス京都がどのような形で運営される のが効果的か検討」としています。

 公開質問状では、この他、▽女性副市長の採用、政策・方針決定過程等への参画の拡大▽女性に対するあらゆる暴力の根絶▽教育機関での早期からの包括的性教育の実施—など、自由記述を含めて8問14項目を問うています。両候補の回答は、「ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)」のホームページで公開されています。

 同「考える会」の呼びかけ人は、井上摩耶子、伊田久美子、大脇美保、周藤由美子、古久保さくら、吉田容子の各氏です。