カレンダーを手にする、あずささん(右)

 今年も残すところ1月余、来年のカレンダーを目にする時期になりました。障害のある人が制作した作品を基にした、きょうされんのオリジナルカレンダー「はたらく仲間のうた」(壁掛版)の2024年版の表紙を飾るのは、「万華鏡の花」と題する色鮮やかな花の作品。制作者は、就労継続支援B型事業「京都ふれあい工房」(京都市伏見区)に通所する、あずささん=京都市=です。

 あずささんは、「表紙になると聞き、驚きました。自分の絵が初めて商品になり、うれしい」とはにかみます。作品には、「みんなの心に、明るく彩りのある花が咲き続けていてほしい」との願いを込めました。

 きょうされんカレンダーは毎年、全国の障害のある人が制作した作品から選考。24年版は、22年に開催の第15回グッズデザインコンクールの応募作品、全1703点から選ばれました。入賞・入選作品は、カレンダーのほか、タオルやTシャツなどにデザインされ、「はたらく仲間のうた」グッズとして発売されます。

 あずささんは、同工房に就労して10年目。運営するカフェ「きゃんばす」での接客をはじめ、自主製品の焼き菓子の包装のシール貼り、祝箸の袋作りに励んでいます。

 絵は4、5年前から趣味で始めたもの。歌謡曲の歌詞や童話から頭に浮かんだ絵やイラストを描きためており、同コンクールへの応募は2回目でした。

 入賞した「万華鏡の花」は、庭の花やウオーキングコースの道端に咲く花がモチーフ。キラキラ光りカラフルな色が流れる万華鏡のイメージを重ね合わせ、マーカーペンで彩色しました。「人とコミュニケーションをとるのが苦手ですが、明るくて楽しい、前向きになれると感じてもらえるような絵を届けていきたい」と話しています。

 カレンダーの購入(1350円)は、京都ふれあい工房☎075・611・2511、きょうされん京都府本部☎075・323・5321まで。

 カフェ「きゃんばす」(京阪「丹波橋」駅西口を南に徒歩2分)では、あずささんの作品展を12月1日まで開催中。営業=月曜~金曜10時半~14時。土日祝休み。