あいさつする梶川憲京都総評議長

 保険証廃止反対京都連絡会が10月27日発足しました。同日、京都市中京区のラボール京都で結成集会を行い、呼びかけ人や賛同7団体からオンラインも含めて47人が参加。同連絡会では、来年の通常国会会期末までをめどに、廃止方針撤回の意見書可決を求める請願運動や署名、宣伝行動などに取り組みます。

 呼びかけ人を代表して、梶川憲京都総評議長があいさつ。来年秋に保険証が廃止され、トラブル続きのマイナンバーカードだけになったら医療が受けられなくなる可能性があるとして「命を脅かす皆保険制度の解体につながる。断固阻止したい」と話しました。

情報システム専門家「なりすまし犯罪の温床に」

 日本共産党の倉林明子参院議員が、情報システムの専門家でつくる学会がマイナンバー制度について「制度設計に根本的な問題がある」と指摘した提言(10月)を紹介。政府が目指すマイナンバーカードと健康保険証や運転免許証を一体化する制度設計に根本的な問題がありトラブルが避けられないことや、なりすまし犯罪の温床になると警鐘を鳴らしていると述べ、「保険証廃止反対で共に頑張りたい」と表明しました。

 全国保険医団体連合会の本並省吾事務局次長が講演し、保団連が5、6月に行った医療機関へのアンケート(1万26医療機関回答)を紹介。オンライン資格確認を導入した医療機関のうち、65・1%で「トラブルがあった」と回答。内容は▽「無効・該当なし」と表示され、顔認証付きカードリーダーが起動しない▽機械が名前の漢字を読み取れなかった▽電子カルテやレセプトコンピューターが稼働しなくなった―などだと告発。窓口で患者が声を荒らげることもあると述べ、「現行の保険証では起こりえないエラー。厚労省が言う利便性、医療の質向上とは真逆の事態を招き、むしろ診療妨害だ」と厳しく批判しました。また、トラブルに対応できず、無保険扱いとなり10割負担となった事例が38都道府県で1291件あったとして、厚労省は「念のため健康保険証持参」と言わざるを得ない状況だと指摘。

 健康保険証廃止の撤回を求める国への地方議会からの意見書は、87市町村で可決され、マスコミ調査でも7~8割が「廃止・延期」「撤回」を求めているとして「医療現場に混乱をもたらし、患者・国民を不安に陥れる保険証廃止は撤回を」と呼びかけました。

 呼びかけ人や賛同団体などから8人が発言。「マイナンバーカード使用でトラブルが多発し窓口が大混乱。保険証が一番の本人確認となっている」(歯科保険医協会)、「マイナンバーカードへの個人情報のひもつけは、企業への情報提供につながる。保険証廃止は社会保障制度解体への道だ」(年金者組合)、「写真認証で呼吸器を外せと言われた。障がい者、認知症本人の状態を全く考えていないシステムで断固反対」(きょうされん京都支部)など、怒りの声が出されました。