京都府が水道事業の広域化を進めるなか、「水道広域化・民営化を考える京都南部の会」など4団体は3月9日、西脇隆俊府知事に対し、水道の広域化を押し付けるのではなく、市町村の水道事業を充実させることなどを求めて申し入れました。

 申し入れたのは、同会と、「城陽の安全でおいしい地下水を守る会」「大山崎の水を考える会」「長岡京の地下水を考える」の各団体。府の水道をめぐる情勢について学習会や署名活動などを行ってきました。

 府はこのほど、市町村が運営する水道の広域化や民営化を狙う「京都水道グランドデザイン」の改定案をまとめ、北部、中部、南部の各圏域で市町村の浄水場の統廃合などの施設統合、広域化による事業統合案を示しています。

 また、府営水を供給する府南部の10市町(宇治、城陽、八幡、京田辺、木津川、向日、長岡京の各市と久御山、精華、大山崎の各町)では経営の一体化策として「企業団化」が打ち出されています。

 申し入れでは、こうした「広域化・官民連携」推進は、「民営化・民間委託拡大の一里塚だ」と批判。水道広域化の押し付けをやめ、民営化などではなく、低廉で安全でおいしい自治体の水道を守ることを求めています。

 府民環境部公営企画課が対応。参加した住民からは、「城陽では地下水が豊富で、おいしい地下水を守ってほしいという声が多く寄せられている。広域化や浄水場の廃止計画は見直すべき」(城陽市)、「府営水の建設負担水量の押し付けが水道料金の値上げにつながってきた。見直すべき」(大山崎町)、「府営水と地下水のブレンドで水道が供給されている。地下水は十分豊富で、地下水中心の水道にしてほしい」(長岡京市)とそれぞれ要望しました。府側は、「案を示しただけ」「府営水を押し付けているわけではない」などの回答に終始しました。