京都市に申し入れる住民団体の代表ら(1月26日)

 京都市が進める高さ規制大幅緩和などの都市計画変更案について実施したパブリックコメント(市民意見の募集)をめぐり、門川市長が約7割が「賛成」との談話を発表したことについて、住民団体は1月26日、山科区の外環状線沿道の規制緩和についての賛成は3割弱程度しかなかったとして、市長談話の撤回と都市計画の変更作業を中止するよう市に申し入れました。

 申し入れたのは、京都・まちづくり市民会議、山科まちづくり会議など6団体。都市計画の変更案は、市内周辺部の5地域について、高さ制限を撤廃するなど大幅な規制緩和を行おうとするもの。市は昨年10月~11月にかけて、パブコメを実施し、意見書869通、意見数が2445件が市に提出されました。

 結果について、門川市長は同11月22日の記者会見で、約7割が見直しに肯定的だったと述べました。その後、市は、意見を「賛成」「反対」「賛否が区別できない」の三つに分類し、約5割が「賛成」だったと発表しました(12月22日)。

 これを受け、山科まちづくり会議が中心となり、5地域の内の一つ、山科区の外環状線沿道の規制緩和に関する意見について、市議会に提出された市民の意見一覧の精査・分析を行いました。その結果、賛成意見は27%にとどまり、反対意見が28・3%と賛成を上回っていることが判明しました。

 申し入れでは、パブコメには「賛成」「反対」の選択肢がないため、市が何を基準に分類したのか「分類そのものが恣意的」と強調。「市長や市の発表は、賛成を故意に水増しして市民の世論を特定の方向に誘導しようという悪質な情報操作といわなければならない」と指摘しました。その上で、「行政の公正な運営をゆがめるもので許されない」と厳しく抗議し、賛成の多さを理由した都市計画の変更手続きを中止すべきとしました。

 併せて、申し入れから20日以内に、市の見解を文書で明らかにするよう求めました。

市のパブコメに提出された意見