京都市が実施した民間保育園保育士給与補助の大幅削減の見直しや保育士の処遇改善などを求め、京都市内の保護者らが署名活動などに取り組んでいます。1月15日には「キックオフ集会」を開き、オンライン含め140人が参加しました。

 署名活動を行っているのは、保護者でつくる「子どもたちにもう一人保育士を!子どもたちを守りたい保護者の会in京都」。ネット署名は2万3000人分(16日現在)を超えています。

 京都市は2022年度から、財政難を理由に、京都市の民間保育園に配分されていた補助金を13億円カットし、市の調査でも4割の園が給与・賞与の減額を実施・検討する事態となっています。こうしたもとで、子どもたちの「保育の質」に関わる問題として、保護者から声を上げようと、昨年秋からグループを作り、活動しています。

 集会では、同会メンバーの阪本佳郎さんが補助金カットによる影響や、署名を呼びかけた経過、保護者の思いについて述べ、「保育士のみなさんは、子どもたちの命を預かる、かけがえのない仕事をされています。行政は保育士の重要性を理解していないのではないか。私たちの趣旨に賛同して多くの署名が寄せられています。これからもさらに多くの声を集め、市長に届けよう」と呼びかけました。

 特別なケアを必要とする子どもの保護者からの発言や、保育士・給食職員、保育園長、保育の研究者らがリレートーク。保育士や職員からは補助金カットの影響や、現行の子どもに対する保育士の配置基準の状況で慢性的に人手不足になっているとし、補助金カットの見直しや保育士の賃上げなどを求めました。

 集会の最後には、「保育」は、社会に必要不可欠な「要石」だとし、カットされた補助金13億円を全額差し戻すことや、保育の社会的役割・重要性にふさわしい予算を常に確保することなどを求める「宣言文」(写真上)と京都市への要求を確認しました。

 保護者らは、引き続き、ネット上の署名サイト「Change.org」で、「保育は社会の要石! 子どもたちを守りたい保護者による緊急宣言in京都」として署名を呼びかけています。