京都府議会で12月23日、加齢性難聴者の補聴器購入について公的支援制度の創設を求める意見書が、全会一致で可決されました。

 意見書では、加齢に伴う難聴が高齢者の社会的孤立や認知症につながると認められていながら、「補聴器の価格は、安価なものでも片耳で数万円、高価なものでは数十万円にもなるが、保険適用はされず、全額自費となるため、低所得者にとっては補聴器の購入が困難な状況」だと指摘。そのことが補聴器使用率が欧米諸国と比べて低い要因となっているとし、現在の補装具費支給制度では中等度以下の難聴者は、「約9割が自費で購入せざるを得ない」と強調。国に対して、補聴器購入についての補装具費支給制度を見直し、新たな公的支援制度を創設するよう求めています。

公的補助求める会「早期具体化を」

 同日、京都府内で2020年からこの問題に取り組んできた「補聴器の公的補助を求める会」が声明を発表し、府庁内で会見しました。同会は声明で「意見書採択を歓迎する」と表明。全国でも運動が急速に広がり、120以上の自治体が独自の補助制度を設けていると指摘し、国での実現とともに、各自治体での補助制度実現を引き続き求めていくとしています。

 同会の佐野春枝共同代表は、「意見書可決は一歩前進。自分のまわりでも高額なために補聴器の購入をためらう人は多い。補助制度の早期具体化を求めていきたい」と話しました。