会見でアンケート結果について報告する、たけやま(左)、地坂両氏(6月15日)

被害8割が10代以下「若い世代と子どもを守る課題」

 日本共産党京都府委員会ジェンダー平等・人権委員会は6月15日、4月中旬から呼びかけてきた「痴漢実態調査アンケート」の結果を報告しました。

 同委員会事務局長の、たけやまさいこ参院京都選挙区候補、地坂拓晃府書記長が、同党府委員会(京都市中京区)で記者会見しました。

 アンケートの回答数は153件で、女性からの回答が88%を占めました。「初めて被害を受けた年代」は、10代以下が8割。9歳以下も16%で、若い世代と子どもを守る課題であることが明らかになりました。

 被害に遭った場所は「路上」(68.6%)、「電車の中」(64.2%)、「駅構内」(19.7%)など。被害時の対応では半数が「何もできなかった」(46.7%)と答えています。被害に遭い、「遠回りして通学電車の路線を変更」「図書館に行けない、エレベーターに乗れない」など、心に傷を残し、社会生活にも重大な影響を及ぼす犯罪であることが明らかになりました。

アンケートを呼びかけるリーフ

 たけやま氏は、アンケート調査に先立ち、1月下旬から2月にかけて、京都府警、京都市交通局、私鉄各社を訪ねて、痴漢対策の強化を求めて申し入れてきた同委員会の取り組みを報告。

 市営地下鉄でも「痴漢は犯罪です」と〝犯罪〟の文字を入れたテロップが流れるようになったこと、国会で取り上げ、政府が「被害の実態調査」を行ったことなどにふれて、「声として上げづらかった痴漢の問題を政治の課題に挙げたことは、市民と共産党でともに取り組んだ大きな前進」と評価しました。

 同党の参院選政策の「やさしく強い経済」の柱の一つ、ジェンダー平等の項目で「痴漢ゼロ」を掲げていることを紹介し、「国会で実現できるよう力を合わせて頑張っていきたい」と決意を語りました。

■痴漢をなくすことが政治の課題になってうれしかった

 痴漢実態調査アンケートに答えた京都市の50代の女性の声を紹介します。

 痴漢をなくすことを政治の重要な課題として、日本共産党が国会で取り上げ、京都でも働きかけていることは、うれしいです。

 高校生の頃、奈良から大阪の学校まで電車で通学し、車内での痴漢被害は日常茶飯事でした。怖い目に遭っても〝軽い話〟として扱われてきました。車内で「やめて下さい」と叫んだことがありますが、誰も助けてくれない体験もしました。

 何とかならないかと思っていた問題だったので、国会で政治課題とすべきとの質問(小池晃参院議員)に、岸田首相が「痴漢は犯罪」であり許されないと答えたことに、隔世の感がありました。

 京都でも、たけやまさんらが、府警や行政、鉄道会社に申し入れもし、市営地下鉄の電光掲示に「痴漢は犯罪」と流れているのを見た時、びっくりしました。

 被害に遭うのは子どもたち。痴漢は許せません。痴漢の通報がスムーズにできる仕組み、加害の抑制など、さらなる対策に期待します。