府内大企業10社が発表した21年度決算(今年3月期発表の決算短信)で、内部留保(資本剰余金と利益剰余金の合計)額が合計で10兆1521億円となっていることが本紙調査で分かりました。コロナ禍に加えて、円安による物価高騰などで中小業者が大打撃を受ける中、輸出大企業を中心に巨大なもうけを溜め込んでいます。

 第2次安倍晋三政権の「アベノミクス」が開始された2012年の10社計5兆7264億円から、ほぼ倍増。この1年間だけで、9222億円増加しています。

 最も内部留保を積み上げているのは「任天堂」(京都市南区)の2兆2137億円。売上高は前年比3.6%減の1兆6953億円となりましたが、純利益は4776億円(前年比0.6%減)。ゲームソフト販売が好調で、為替の円安も収益を押し上げ、内部留保も2053億円増やしました。

 次いで、売上高や営業利益が過去最高となった「村田製作所」(長岡京市)の2兆1454億円。前年から2379億円内部留保を増やし、10社中トップの増加額でした。以降、「京セラ」(京都市伏見区)の1兆9689億円、「日本電産」(京都市南区)の1兆2229億円と続きます。

 全国では、「アベノミクス」のもとで12年から、20年にかけて内部留保は130兆円も増え、466兆円に上っています。

 日本共産党は2月、大企業の内部留保に適正な課税をする政策を発表。資本金10億円以上の大企業が12年以降に増やした内部留保額に対して、毎年2%、5年間で合計10%の時限的課税をするもの。このことで、毎年2兆円程度、総額で10兆円程度の財源が生まれ、最低賃金を大幅に引き上げるため、中小企業などの賃上げ支援に使うとしています。