「生かそう憲法 守ろう9条 5・3憲法集会in京都」が5月3日(火・祝)午後2時45分から、円山野外音楽堂(東山区)で開かれます。主催は、「憲法9条京都の会」「9条改憲NO! 全国市民アクション」です。

 TBS「報道特集」キャスターで、この間ウクライナで現地取材した金平茂紀さんが、「体験的『戦争をしてはいけない』論」と題して講演します。

 集会では他に、政党あいさつ、「憲法改悪を許さない全国署名」呼びかけ、市民アピールなどが予定されています。集会後は、京都市役所前まで「憲法ウオーク」を実施します(午後4時半ごろ出発)。

 開場午後1時45分。集会はYouTubeで同時配信。手話通訳あり。雨天決行。憲法9条京都の会TEL050・7500・8550、FAX075・603・8135、メールkenpo@9-kyoto.net

改めて「平和国家」をめざして歩もう 憲法9条京都の会がアピール

 「憲法9条京都の会」は今年の憲法記念日を迎えるにあたって、「改めて『平和国家』をめざして歩もう」と題したアピールを発表しました。全文を紹介します。

改めて「平和国家」をめざして歩もう―2022年の憲法記念日を迎えるにあたって―

施行75周年を迎える2022年5月3日、日本国憲法は最大の危機に直面しています。

改憲派議員は、新型コロナウイルスの感染拡大に便乗して緊急事態条項を憲法に明記しようと躍起になっています。憲法審査会では、改憲へ向けての強引な論調が目立ちます。緊急事態条項をめぐっては、それが権力に濫用され独裁化を招き、人々の人権を侵害したという国内外の歴史が注視されるべきです。また、国会が関与することなく、内閣によって制定される政令の危険性についても慎重な吟味が不可欠です。極端な事態を持ち出し、人々の不安を煽って改憲を進めるなどあってはなりません。

2月24日、ロシアのプーチン政権は、ウクライナに対し侵略戦争を始めました。ウクライナでは、多くの一般市民が殺され傷つき逃げ惑うなど凄惨な事態がつづいています。ロシアによる侵略は国連憲章2条4項をはじめ国際法・国際人道法に明白に反するのみならず、原子力施設も攻撃対象にするなど、人類にとって最大級の脅威です。それゆえ、ロシア国内を含め世界中の市民が「侵略戦争を止めろ」の声をあげています。そのようななか、NATOが軍事的にもウクライナを支援することで戦争の長期化と対立の激化が危惧されます。また、各国は軍事力の増強に乗り出し、新たにNATO加盟を検討する国も出ています。世界はまたしても、分断と対立へと向かっています。

日本も対立の一陣営に与する形で自衛隊の海外派遣へと道を開き、国内では「核共有」、「敵基地攻撃能力の保有」、さらには「9条改憲」が叫ばれています。2月末の日米外相会談では、対中国を念頭に「日米同盟の抑止力・対処力の強化」が約束されました。近年の日本の軍事費増額は異常です。いま、日本は一気に「軍事国家」へと進みつつあるのです。

しかし、暴挙に出る国があるからといって、軍事力や軍事同盟を強化することで平和を維持できるのでしょうか。軍事力を強化することは、相手側に軍事力増強の口実を与え、結局は際限のない軍事力の増強合戦に陥り、緊張を高めるだけです。「冷戦」の教訓は、まさにそこにありました。また軍事を優先した政治は、教育や福祉といった市民生活を犠牲にし、言論など市民的自由を制限します。パワーバランスにより、かりに国家の安全が保たれたとしても、市民の人権は保障されません。いま世界の市民が声をあげているのは、ウクライナの人たちの生命と尊厳を守るためであることを思い起こす必要があります。

日本国憲法は前文で、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有すること」を確認しています。これこそが、原点ではないでしょうか。そのためには、戦争をしないこと、核兵器を廃絶することに向かわざるを得ないのです。日本政府には、戦争をさせない外交にもっと尽力するよう、求めなければなりません。

私たちは、アジア太平洋戦争の壮絶な加害と被害の反省から、平和憲法を手にし、ここまで曲りなりにも「平和国家」をめざしてきました。これは私たちにとって譲れないものです。2022年の憲法記念日を迎えるにあたって、私たちは改めて憲法9条を掲げ「平和国家」をめざしつづけよう、それにふさわしい政治への転換を求めようと、広く訴えます。

2022年4月 憲法9条京都の会