渡辺府委員長(左から2人目)、原田府議団長(同左)らとともに府議補選への出馬を表明する、福田ようすけ氏(右から2人目)

 日本共産党北地区委員会は3月9日、4月10日投開票の府知事選と同日で行われる府議補選京都市北区選挙区(欠員1)に、新人で同地区委員長の福田ようすけ(陽介)氏(46)を擁立すると発表しました。

 同補選は、昨年12月に公選法違反(昨年の衆院選での買収約束)の罪で略式起訴された岸本裕一元府議=自民党を離党=の辞職に伴うもの。告示は4月1日で、既に自民、維新、立民の各党が候補者擁立を発表しています。

 発表に当たり同日、福田氏、同党京都府委員会の渡辺和俊委員長らが、京都府委員会(中京区)で記者会見を行いました。

 福田氏は「政治が金でゆがめられることはあってはならない」と述べ、「府民のための政治を実現したい」と決意を表明しました。その上で、三つの問題を訴えたいとし、一つ目にロシアのウクライナ侵略を上げました。侵略は絶対に許されず、この問題で、京都府知事の姿勢が問われていると強調し、「侵略やめろ」と発信する府政を実現したいと訴えました。

 二つ目に「政治とカネ」の問題を告発。補選のきっかけとなった自民党前府議の買収に加え、自民党府連の「選挙買収」疑惑が浮上していることを厳しく批判し、「清潔な政治の実現で府民の府政への信頼を取り戻したい」と述べました。

 三つ目に、大型開発より府民の暮らし優先の府政を実現したいと述べました。子育て中の父親として、コロナ禍での保育所や学校現場の苦労を見てきたと強調。暮らしを守るため、「府知事選に立候補する『つなぐ京都2022』のかじかわ憲氏と一緒に勝利したい。子育て世代の代表として勝ち抜きたい」と訴えました。

 渡辺府委員長は、北区での共産党の位置について、2015年府議選で共産党候補が1位当選するなど、常に自民党と拮抗してきたと説明。「議席を取りに行く選挙として、福田氏が打って出る。論戦力抜群、即戦力として活躍が期待できる」と紹介しました。

 ロシアのウクライナ侵略にかかわって、自民党の有力政治家が「核の共有」に言及したことを批判しました。特に、維新が「核共有」の議論を始めるように政府に申し入れたことは見過ごしにできないと強調。こうした勢力に府議会に新たな議席を示させる訳にはいかないと訴えました。また、あいついで問題となっている「政治とカネ」の問題について、企業・団体献金とも政党助成金とも無縁な共産党の福田氏の当選こそ、金権腐敗問題への審判となると訴えました。

 福田氏の経歴は以下の通り。

 ふくだ・ようすけ 1975年生まれ。立命館大学一部文学部入学後、同自治会委員長、府学連執行委員長、全学連中央執行委員を歴任。2000年に同大学を卒業し、日本共産党京都府委員会勤務。現在、北地区委員長、京都府委員。21年衆院選で京都一区本部長。船岡乳児保育所父母の会役員、楽只保育所保護者会会長などを歴任。