全印総連京都地連と印刷関連ユニオン京都支部は1月30日、「もっと生きやすい社会をみんなで─『コロナ禍雇い止め撤回』争議 勝利判決をめざす市民集会」を京都市下京区のキャンパスプラザ京都で開きました。

 同ユニオンの組合員で、和紙加工メーカーの株式会社コード(伏見区、神門素子社長)のパート労働者だった山崎富子さん(58)=京都市=が会社に対し、コロナ禍に便乗した雇い止めの撤回を求めている訴訟(20年9月提訴)の勝利を目指して企画したものです。

 ジャーナリストの竹信三恵子さんが、「女性非正規労働者の現状と課題をともに乗り越えるために」と題して講演し、同争議弁護団の中村和雄弁護士が、裁判の経過とたたかいの意義を報告。オンラインを含め約80人が視聴、参加しました。

 開会あいさつで京都地連の森川佳奈委員長は、「不遇な状況にある全国の労働者の希望になるよう、京都での争議の勝利目指し、力になる集会にしたい」と話しました。

 講師の竹信さんは、コロナ禍で、女性非正規労働者へのセーフティーネットの不備や性別役割分業の意識を利用した低賃金の構造など、浮き彫りになった労働政策の問題を指摘。他方で、労働組合の支援もあり、シフト勤務の女性がシフト減による収入減に対して声を上げ、休業支援金を獲得した例や、外国人技能実習生が出産後も雇用継続できた例なども示して、声をあげ、“騒ぐ”ことの重要性も強調しました。

 今回の裁判でも「非正規は、一時的な労働力だからクビにしてもいい問題なのか。継続して働くことが、企業にもプラスになることを検討すべき」と述べ、激励しました。

 裁判の争点を解説した中村弁護士は、山崎さんに「雇用継続の合理的期待」が認められるか、雇用調整助成金特例制度の利用中の雇い止めが許せるのか—が問われると指摘。「コロナ禍で雇用継続のために作られた制度を利用し、会社の経済的負担はないのに雇用期間がきたから雇い止めするということは許されない」と訴え、支援を呼びかけました。

 原告の山崎さんは、「コロナ禍だから雇止めは仕方がない」と諦めないことが大切だと述べ、「経営者の不正をただすことは間違っていない。勝利するため頑張る」とアピールしました。

 裁判は次回、4月11日午後1時半から、京都地裁で証人尋問が行われます。山崎さんと職場組合員、被告側から神門社長が証人として出廷します。