戦前、飛行場などの建設のために朝鮮半島出身の人々が集められ、戦後もコリアンが多数住む宇治市伊勢田のウトロ地区で、歴史を継承するとともに、地区住民と在日、日韓市民との交流の拠点「ウトロ平和祈念館」の建設が4月のオープンに向けて進んでいます。1月23日には、地区内の南山城同胞生活相談センターでウトロ住民の茶話会やスタッフ・ボランティアの学習会が行われ、開館運営などについて話し合われました。

 祈念館は約800平方㍍の土地に、鉄骨造りの地上3階建。1階を交流のための多目的ホール、2階をウトロ地区の歴史を伝える常設展示室、3階は在日コリアンにまつわる様々な企画展を行う展示場に利用する予定です。

 祈念館前には、戦前、朝鮮人労働者とその家族が住んでいた「飯場」を移築し再現。周辺に地下水をくみ上げるポンプやオモニたちが耕していた畑などを配します。現在、建物の外枠がほぼ完成。内装工事が始まっています。

 ウトロ住民の茶話会やスタッフ・ボランティアの学習会では▽4月30日にオープン▽開館は金曜から月曜の午前10時から午後4時までで、火曜日は、団体予約のみ受け付ける―ことなどが提案されました。

 住民らが受付を行い、「住民と出会える施設」「過去を学ぶだけでなく、新たな交流の歴史をつくっていく施設」にしていくなどの意見も出されました。

未来につながる施設に

 ウトロ地区出身の具良鈺(ク・リャンオク)弁護士の話 ウトロの問題は悲しい歴史でありましたが、ウトロ平和祈念館は、それを乗り越え、新しい日本社会とのつながりをつくるきっかけになる、未来につながる施設にぜひともしていきたい。いかなる国の意見にも影響されず、住民主導で運営される施設であってほしいと思います。

サポーター、寄付募集中

サポーター▽一般会員(年会費6000円)▽賛助会員(年会費3000円)▽学生会員(年会費1000円)▽個人・団体寄付(1口10000円)を募集中。通信・企画展案内送付などの特典あり。歴史研究、広報、企画、清掃など得意分野でのボランティアスタッフも募集中。

寄付の振込先=一般財団法人ウトロ民間基金財団 ▽ゆうちょ=00900—8—271813▽ゆうちょ銀行=099店 271813

同記念館ホームページ=http://www.utoro.jp

同財団℡0774・41・7248

【追記】一部記述を修正しました(2022年1月31日午前10時32分)