私学助成増額の運動や私学の魅力を伝える活動をしている、生徒を中心にした自主団体「京都私学フェスティバル実行委員会」は3月28日、オンラインによるフェスティバルを開きました。

今回のフェスは、新型コロナウイルスの影響により一堂に会することができず、ZOOMを活用した初の試みです。「未来をどうデザインするのか」と題したメインのディスカッション企画をはじめ、私学助成をめぐる現状報告、校則の見直しの取り組みや太鼓、バンドの演奏、生け花など、中高生が日頃の活動を披露しました。

 メイン企画では、高校生3人と京都大学総合博物館の塩瀬隆之准教授、立命館小学校の正頭英和教諭が登壇し、実行委員会メンバーが進行役を務めました。

 留学の経験、環境問題や商品開発に興味を持ち行動した体験などをもとに、外国と日本の教育の違いや行動して学んだことなどを交流し、日本の学校では、与えられた課題をこなし受け身的に感じたことが、外国では授業内容を話し合って決めたり、“自分事”として学んでいると実感したなどと発言しました。

 塩瀬氏は、若い世代の調査で、答えがなく、うまくいくかわからないことに挑戦する意欲や、社会現象は変わると思う人が、日本は海外と比べて低いことが気になると紹介し、登壇した生徒らの行動力を評価。「学び」を「食事」に置き換えて、おいしいから、楽しいから食べるということと学びは同じだと述べ、今後も学びの経験を生かしてつき進んでほしいとエールを送りました。

 正頭氏も、「学びは基本的に楽しいもの。損得を考えず、おもしろいことに正直に挑戦してほしい」と話しました。

 校則の見直しについては、頭髪検査への疑問をきっかけに取り組んでいる大谷高校の経験を同校生徒が報告しました。

 生徒手帳に書かれた、清潔、端正などは誰が判断するのかとの疑問、頭髪検査で合格しなければ定期考査を別室で受け、テストの点数が参考扱いになることに不満の声があり、全校アンケート(回答759人)では、「頭髪検査は必要か」の問いに「いいえ」が80・2%、肌着を白色に限定していることに「必要ない」は88・9%だったと紹介。▽頭髪検査の撤廃▽生徒と教員、保護者の3者協議の場を設ける―ことを目標にし、「不満のない学校生活を送ることが大切。引き続き活動したい」と話しました。