準備中のLINEアカウントの画面

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響による4月の授業休止後、6月から対面授業を再開した京都教育大学で、学生らでつくる「京教学生の声を届けるプロジェクト」が7月中旬、授業のあり方や学費の問題に関して学内の学生にアンケートを実施したところ、全学生の3分の1にあたる400人を超える学生から回答を得る反響がありました。同プロジェクトは、アンケートを基にした大学当局あての要求書と、学生から意見を聞くシステムづくりを準備しています。

 アンケートは、○今後の感染拡大による対面授業の休止基準の明確化○対面授業休止期間中に相当する学費の減免、または給付という名目での返還○学費の減額を行わない場合、その理由の明確化―の3点について、要求するか否かを4択で問い、自由記入も呼びかけました。

 オンラインを利用し、7月19~24日の期間で実施。回答は405人、意見の自由記載も171件に及びました。設問に対しては、いずれも「強く要求する」と「要求する」が9割を占めました。

 アンケートを発信した大学院生の村田純さん(22)=仮名=は、電車通学や対面授業での感染症予防対策に対して学生は不安を感じているが、大学側にそれに関する意見を聞く姿勢が感じられないことから、「誰かがやってくれると受け身で待っていてはだめだと思い、アンケートを呼びかけた」と言います。

 自由記入の意見では、対面授業とオンライン授業の併用や、それを選択できる環境整備を求める声、構内の感染防止対策への不安や疑念、学内での感染者情報の開示、授業料の一部返金の要望など、多数寄せられました。

 意見もすべて一覧表にまとめ、「学生が意見表明する機会が大事だと思います。コロナ禍の非常事態の時こそ双方向の対話が重要」という村田さん。「大学側にはこの結果を知り、学生との対話の場を設けてほしい」

 同プロジェクトは、アンケート結果のまとめ、設問と同様の3項目を示した要求書を大学に提出する予定です。また、コミュニケーションツールの「LINE(ライン)公式アカウント」を活用して、同プロジェクトのアカウントを立ち上げ、情報の共有や学生が意見(メッセージ)を寄せる「意見箱」を設けて、さらに広く声を集める環境づくりを考えています。

 アカウントのアイコンもデザインした村田さんは、「多様な意見を寄せてもらいたいと色とりどりの付箋をイメージしました。多くの学生に登録を呼びかけ、意見表明の場にしたい」と話しています。