今年の通常国会で成立したスーパーシティ法(改定国家戦略特区法)をめぐり、福知山市の大橋一夫市長は14日、対象地域となる国家戦略特区に応募することを「視野に入れる必要がある」と表明しました。同日に開かれた同市議会9月定例会で日本共産党の吉見純男議員の一般質問に対して答弁しました。

 同構想は、AI(人工知能)やビッグデータなどの先端技術を利用して遠隔医療、遠隔教育、自動運転、キャッシュレス決済、ドローンによる配達、顔認証を使った交通機関の利用などのサービスを一括して住民に提供するというものです。

 住民は住所、年齢、マイナンバー、顔写真、健康状態、預金口座をはじめ詳細な個人情報を実施主体に提供する必要があります。実質的に実施主体となってこれを一元管理するのは大企業です。

 同構想に応募する意思があるかという質問に対し、同市長は、応募には住民ニーズの把握や市民理解の促進など「相当な準備が必要」とした上で、「特区申請も視野に入れる必要があると考えている」と答弁しました。

共産党・吉見氏「住民交えた慎重な議論必要」

 吉見議員は、個人情報を民間企業が一元的に管理することになり、プライバシー侵害とともに、集められた情報をもとに個人の監視を行えることなどの危険性を強調し、「住民を交えた慎重な議論が必要だ」と求めました。

 政府は、スーパーシティを目指す自治体からの申請を12月から受け付け、21年3月に対象地域を決定するとしています。