合唱構成「ぞうれっしゃがやってきた」 8日、宮津市・みやづ歴史の館文化ホール/4歳から85歳、団員45人が披露
戦時中、日本各地の動物が殺処分されたため、生き残った名古屋市営東山動物園のゾウを子どもたちに見せようと特別列車が走って今年で70年を迎えることから、宮津・与謝地域の住民による合唱団「宮津・与謝ぞうれっしゃをうたう会」は12月8日、合唱構成「ぞうれっしゃがやってきた」を、みやづ歴史の館文化ホールで披露します。
合唱構成は、史実を取材して書かれた同名の絵本(作・小出隆司)をもとに、愛知県の合唱団が作詞者・清水則雄、作曲者・藤村記一郎さんらと上野動物園の園長などの聞き取りもして11曲からなるものに完成。1986年に初演しました。軍の命令でゾウを殺処分した上野動物園と、軍の命令に反してゾウを守り抜いた東山動物園双方のドラマが当時の状況説明と合わせて盛り込まれています。
合唱団「宮津・与謝ぞうれっしゃをうたう会」は、2013年、宮津で京都母親大会が開催された際、オープニングで有志が合唱をしたことがきっかけで作られた女性の合唱サークルが母体です。
団員8人参加、チェコでの合同演奏の報告も
指揮者の石野洋子さんやサークル員から同曲を「歌いたい」との声があがったことから、男性、子どもにも参加を求め、同曲を歌う合唱団として結成しました。15年には与謝野町で単独の第1回コンサートを開催。翌年には、京都のうたごえ祭典にも出場しました。
今年3月には団員8人が、全国の「ぞうれっしゃをうたう合唱団」の仲間たちとチェコに渡り、地元の著名な少年合唱団「ボニ・プエリ」と合同演奏し、好評を得ました。今回の演奏会は、チェコでの活動報告もかねたものです。
合唱団員は4歳から85歳までの45人。本番に向けて11月27日には、作曲家の藤村さんを招き、曲誕生のドラマなども学びました。
本番は第1部で、藤村さんが作曲し、チェコでも披露した「歌おう! 踊ろう! 輪になって」や、広島での被爆の悲劇を歌った「青い空は」、子どもに人気の「パプリカ」など、第2部で、合唱構成全11曲を披露します。
指揮・石野洋子、ピアノ・吉田真理子、クラリネット・菅原俊江、フルート・掛村岳志。東山動物園園長役=尾上豊。絵本の作者・小出さん来場。
午後2時(1時半、開場)。18歳以上300円、高校生以下、障がい者無料。問い合わせ☎090・3627・1290(石野)。