「最後の一人まで救済されるよう活動続けたい」舞鶴ウィルス性肝炎を考える会 10年の歩みを記録集に/薬害もう二度との思い込め、会員の遺稿も掲載
「舞鶴ウィルス性肝炎を考える会」はこのほど、10年の活動をまとめた記録集を作成しました。編さんした同会世話人代表の三宅あきさん(81)は、「悲劇を再び繰り返さないように」との願いを込めたと語ります。
同会は、患者や支援者ら約40人が2009年1月に結成。肝炎患者は全国に約350万人いるとされ、大半が汚染された血液製剤の使用や輸血、注射器の使いまわしなどが原因とされています。
08年に薬害肝炎救済法が成立しましたが、血液製剤の投与を裏付けるカルテが保管されていないなど、救済される被害者は限定されたものとなっています。また、救済のための認定を受けるまで時間がかかり、認定を待つまでに亡くなる被害者もいます。同会でもこの間、20人が亡くなりましたが、その内の認定者は1人だけでした。
冊子では、同会で取り組んできた行政交渉や議会請願、肝炎訴訟など活動の歩みとともに、「肝炎の会だより」などの資料集を盛り込みました。
また、亡くなった会員の「不注意や不節制でなった病気ではないのです」「身体にメスを入れる度に身心ともに駄目になるよう気がします」など悲痛な叫びが記された遺稿も掲載されています。
三宅さんは、「肝炎を取り巻く状況は徐々に整備されてきましたが、最後の一人まで救済されるよう活動を続けたいと思います。本当に悲惨な薬害が二度と起きないよう、活動の歩みを後世に伝えられれば」と語ります。
A4判126㌻。中丹東保険所、舞鶴市保健センター、まいづる協立診療所などで閲覧できます。問い合わせ☎0773・76・8864(三宅さん)。