調査結果を踏まえ、経済の好循環にむけて意見交換しました

 京都市内で、単身の若者がまともに暮らすには、月額24万円以上、時間額換算で1600円以上の最低賃金が必要─京都総評は5月29日、生活実態(最低生計費)調査の結果を発表しました。調査結果をもとに、6月2日には、京都市内でシンポジウム「フトコロあたため京都を元気に」を開催しました。

 生活実態調査は昨秋から開始し、組合員ら4745人が協力。今回の発表は、そのうち、10~30代の若年単身者412人分の生活費や持ち物などから、静岡県立大学短期大学部の中澤秀一准教授の監修のもとで分析した第一次分です。

 試算のモデルには、「京都市北区で1人暮らしの25歳」を設定。「ふつうの暮らし」の内容や水準を、栄養の質、外食などの人付き合いを含む食費、映画やショッピングを楽しむ教養娯楽費などと、保有率70%以上の持ち物を必需品として推定し、労働時間も年1800時間(月150時間)で換算しました。

 その結果、男性で月額24万5785円(時間額1639円)、女性で月額24万2735円(時間額1618円)が、「ふつうの暮らし」をするために必要な額として算出されました。

中澤氏「労働者のスタンダード示した」

 中澤氏は、8時間働いてまともな生活をするにはこれくらいが必要だという「労働者のスタンダード」を、労働組合として数字で示すことができたと報告。京都市を含めて全国14の市の生計費調査の結果から、「全国で大差はなく、一律で1500円以上が必要という結論が出た」と強調しました。

 京都総評は、併せて京都市の「公契約基本条例」(15年制定)の実態を、事業者と労働者の双方から調査した結果を報告しました。賃金下限額(賃金条項)、雇用の継続・確保を同条例に定め、賃金の引き上げや処遇改善をはかる必要性から、市の実態を明らかにすることを目的に取り組んだものです。  報告した京都総評の池田和弘事務局長は、中小業者の受注状況も労働者の処遇改善も、同条例の下では変わっていないことが調査結果で明らかになったとし、「基本条例の改正、賃金条項を持つ真の公契約条例の制定に向け奮闘したい」と述べました。