「怒りから変革へ」をテーマに話し合ったシンポジウム(18日、同志社大学寒梅館)

 「闘うフェミニズム再び―怒りを力に社会を変える」をテーマに、ジェンダー平等社会の実現を目指す女性たちのシンポジウムが5月18日、京都市上京区の同志社大学寒梅館で行われ、全国各地から約250人が参加しました。ウィメンズ・アクション・ネットワーク(WAN)の結成10周年を記念して開かれたもの。

 WAN理事長の上野千鶴子東京大学名誉教授と集会実行委員長の岡野八代同志社大学教授があいさつ。上野氏はWANが、前大阪府知事によるドーンセンター内のウィメンズブックストアの撤退と安倍晋三首相をはじめとする右翼団体からのフェミニズムへの攻撃と闘うネットメディアとして生まれたことを紹介。「論争や炎上を恐れず、慰安婦問題や性暴力、LGBT問題を扱ってきました。セクハラを違法化し、DV告発もしてきましたが、権利は闘い続けないと奪われてしまう」と述べ、闘うフェミニズムの必要性を強調しました。

 岡野氏は、自民党の杉田水脈衆院議員を相手取り、原告として闘っている「フェミニズム科学研究費裁判」(19日付既報)で感じている怒りについて触れ、「一体だれが、社会の何が、体が震えるほどの怒りを感じさせているのか。怒りの先に社会を捉え、私たちを憤らせる社会を変えていこう」と呼びかけました。

 シンポでは千田有紀武蔵大学教授が「怒りから変革へ」と題して講演。性暴力で有罪にならない事例を紹介し、女性への暴行が罪と認められない法律や社会の在り方を告発。「怒りたい女子会」「福島自主避難の会」「在日本朝鮮人人権協会性差別撤廃部会」のメンバーやフリーライターが、差別やバッシングに対し、仲間や支援者とともに声をあげ、「怒りで仲間を作る」活動について話しました。

 フリージャーナリストの伊藤詩織さんからのビデオメッセージが紹介されたほか、参加者からの怒りをテーマにした発言がありました。