寒風が吹くなか、JR二条駅前で増税反対の署名と賛同人アピールへの協力を訴える会のメンバー

 「消費税10%ストップへ、中京の運動で全国をけん引しよう」――。安倍内閣が今年10月、消費税10%実施を狙う下、京都市中京区の労組、団体などでつくる「ストップ!消費税増税・中京の会」は、10%引き上げ反対の賛同者の名前をポスターにして世論に訴える「1万人アピール運動」を呼びかけ、意気盛んに運動を推進しています。

商店街訪問で怒りの声次々「中京から反対の“のろし”上げる」

 「国民の反対世論で、10%への増税を2度延期させてきました。増税は止められますよ。署名と1万人アピール運動に協力をお願いできますか」

 昨年12月、同会では、師走の寒風をついてJR二条駅前で宣伝。その後、賛同者と署名を集めるために同区の「三条会商店街」を訪ね歩きました。署名とアピール賛同者を集めるために商店街を軒並み訪問したのは初めて。参加したメンバーが、増税反対ののぼりや増税による営業への影響などを聞く「シール投票」用ボードなどを持ち、同会事務局長で中京民商事務局の鈴木宏介さん(40)、同民商事務局の山元歩美さん(35)が先頭に立ちます。2人とも、中小業者の苦労を現場で見ているだけに、緊張しながらも訴える声に力が入ります。

商店主や研究者ら4氏呼びかけ

 同会では、安倍政権が2014年4月に消費税率を8%に引き上げた時から、増税反対の「1万人アピール」運動に取り組んできました。呼びかけ人は、同区内の秋道賢司(飲食店「丸太町十二段家」店主)、畑宏治(西新道錦会商店街振興組合代表理事)、濱岡正好(佛教大学元副学長)、村端豊資(「京都和菓子屋ばいげつ」店主)の4氏。16年10月には、約1000人の賛同者の名前を連ね、商売繁盛の守り神招き猫が「バイバイ、増税! 消費税10%はキッパリ中止!」と呼びかけるポスターを約500枚作成し、増税反対の世論づくりに貢献してきました。現在、累計で約1500人の賛同者を集め、さらに1万人へと大きく運動を発展させ、増税を中止させようと意気込みます。

 この日の三条会商店街での行動に、鈴木さんらは「手応えあった。次はあの商店街にも行ってみようか」と声を弾ませます。訪問した内の8割が、署名などに協力してくれました。次々と出される増税への怒りの声――。「10%中止どころか、消費税をなくしてほしい。転嫁したら売り上げは落ちるけど、とても店がかぶれる額やない」(花屋・男性店主)、「歳末商戦というけど、お客さんは毎年減る一方。10%になったらいったいどうなるのか」(米屋・女性店主)、「もう廃業しかない」(布団屋・店主)、「日産のゴーンさんやら、もっと取れるところがあるやろ」(自転車屋・男性店主)。

 全国でも世論と運動が広がっています。増税とともに導入される、複雑な複数税率や免税事業者が不利になるインボイス(適格請求書)制度には、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会、日本チェーンストア協会など立場を超えて、反対・見直しの声が上がっています。学者・ジャーナリスト・著名人による「消費税10%ストップ! ネットワーク」が12月に結成され、全国での「10月の増税中止」の一点共闘が呼びかけられました。

 鈴木さん、山元さんらは言います。「全国の運動に連帯し、中京から増税反対ののろしを上げたい」。新年からダッシュします。

2016年に作製したポスターを手に、シール投票をお願いする(左から)山元さん、鈴木さんら