城陽市深谷小学校区で活動する新婦人の宮ノ谷班は、班目標の460人を4月末に達成しました。一人ひとりの経験を持ちより、500人を超す勢いです。

 メンバーの〝もう一歩の勇気〟を後押ししたのは、今春、班長になった菊地洋子さん(68)の実践でした。3月当初は、目標の半数にも満たない数で、「家族分程度では目標に届かない」と思った菊地さんは、思い切った行動に出ました。

 朝、日課にしている孫の登校の自主的な見守りに加え、同地域で唯一のコンビニ店前で、毎日5人を目標にした署名集めを開始。自分の名前と住所を告げて、往来する人に依頼すると、戦争孤児だった人、岡山で空襲に遭った人など戦争体験者が、「戦争は絶対あかん」と応じてくれました。

 なかには、食ってかかる高齢の男性もいて、心が折れそうになった日もありましたが、顔見知りになった人が加勢してくれるまでに。また、判断材料がない状況では署名に応じられないという女子高生には、1947年に文科省が作った冊子『あたらしい憲法のはなし』の復刻版を薦めて、後日、サインしてくれた経験も生まれました。

 男性(30代)の「俺に(も来たか)⁉」という反応に、「なんとなく、よそ事。話題になっていないなあと感じる」と言う菊地さん。「きちっと話していくことが大切だと思う」

 班ではほかに、『あたらしい憲法のはなし』を中学生の時に手にした栄雅子さん(81)は、国際平和主義と戦争放棄の解説を挿し絵とともに記憶していると話し、自宅玄関に署名用紙と折り鶴を用意して、来訪者に勧めています。

 平和教育がしづらくなった学校現場を知る、元教諭の藤原加津江さん(64)は、高校の近くで宣伝し、高校生に呼びかけ。佐藤玲子さん(76)は、同窓会や母親の法事の際、集まった知人や親戚に声をかけて集めています。

 班員らは、憲法について学び、話題にできる「憲法カフェ」の開催も視野に、「楽しく広げていきたい」と張り切っています。

(写真=バスを待つ人にも声をかける〔左から〕佐藤さん、菊地さん、栄さん

(「週刊京都民報」8月26日付より)