丹波・丹後地方に残る、和算の問題や解法を記した絵馬「算額」などを紹介する企画展「丹波の算法少女」が4月28日から6月10日まで、宮津市の府立丹後郷土資料館で開かれています。

 和算は江戸時代に発展を遂げた日本独自の数学で、広く庶民にも親しまれました。難解な問題が解けた場合や複雑な問題を編み出したことを記念し、解法や問題を記した絵馬を寺社に奉納したものが算額です。

 同展では、算額や和算書など約80点を展示。1887(明治20)年に現福知山市夜久野町の妙龍寺に奉納された算額が初展示されます。この算額には、当時13歳の少女、佐藤小夜女が作成した問題が含まれています。同館資料課の青江智洋副主査は、「算額や和算書に10代の少女が名を連ねることは極めてめずらしい」と語ります。

 企画展名は、1775(安永4)年の算術書「算法少女」にちなんでいます。同書は10代の少女が記したとされており、企画展でも展示されます。

 また、同志社中学校の生徒が作成した算額約30点を展示。裏には解法も書かれています。
青江副主査は、「府内で算額を作っている学校はめずらしく、展示させてもらいました。現代の算法少女、少年の問題に挑んでもらえれば」と話しています。

 他にも、200年前に智恩寺(宮津市)に奉納された算額や和算書「塵劫記」(1634年)などの展示とともに、和算を理解する上で欠かせない当時の長さや重さを表す単位の解説もあります。

 関連企画として▽5月12日13時半、「文化財講座」講師=小寺裕氏(日本数学史学会運営委員長)▽アニメ「算法少女」上映会。同3日、6月2日(各13時半)▽展示解説、4月29日、5月27日(各13時半)―が行われます。

 開館9時~16時半。月曜休館(4月30日開館、5月1日閉館)。入館料、一般200円、中小生50円。問い合わせ☎0772・27・0230。

(写真=131年前の算額。13歳の佐藤小夜女が作成した問題〈右から2つ目の図形〉が含まれています=妙龍寺所蔵)

(「週刊京都民報」5月6日付より)