社会保障の充実を求める声を京都府に届けようと取り組まれている「みんなのいのち守る署名」の左京スタート集会が10日、同区内で開かれ、41人が参加しました。

 集会では、署名の呼びかけ人でもある尾藤廣喜弁護士(生活保護問題対策全国会議代表幹事)が「安倍社会保障大改悪の影響とこれからのたたかいについて」と題して講演。同対策会議で調査した事例で、生活保護の相談に3回も訪れながら追い返され、孤立死した事件(12年、札幌市)、保護が廃止され餓死状態で発見された事件(07年、北九州市)などを紹介。社会保障が権利として届いていない現実や生保受給者を減らすことに必死の担当者らの非情さに「腹立たしい限り」と述べました。

 生活保護受給世帯で増えているのは50歳から65歳で、2013年は10年前の約3倍に増加していると指摘。また、非正規雇用が37%(15年)、貯蓄なし世帯が約3割(11年)など様々な資料から貧困化が進む実態を告発。安倍内閣による悪政の影響を指し示しました。

 拡大する貧困の解決策について「生活保護基準を上げること、年金や介護など保険制度だけに頼らず、公的負担を増やすことです。そして何より賃金アップです」と強調。低所得者に厳しい消費税、大企業の法人税は減税する税制度の矛盾にも触れ、「まず実態を学び、問題点を広く訴えましょう。いつでもだれでもどこでも安心して医療や介護が受けられる社会保障に変えていきましょう」と呼びかけました。

 参加者から、中学校給食の実現を目指す運動や生活保護以下の低年金の告発、ベッド数が減らされる深刻な医療現場の実態の発言がありました。

 「いのちの署名」について、京都社保協の南博之事務局長が、府議会12月定例会提出に向け、20万人分を目指す意義を述べ、「多くの府民の思いを集め、知事に届けよう」と呼びかけました。

 日本共産党の光永敦彦府議、加藤あい、ひぐち英明両京都市議が参加しました。