「多様な宗教家が協力して、京都から核兵器廃絶へ発信を」──。90カ国以上にネットワークを持つ、超宗派の「世界宗教者平和会議」(WCRP)日本委員会が5月29日、京都市東山区の清水寺で「ヒバクシャ国際署名」の活動をスタートする「発進式」を開催し、各地から集まった宗教者と被爆者が門前で署名活動を行いました。

■清水寺門前で署名活動、“禁止条約実現へ宗教家一丸に”

 WCRP日本委員会は、核兵器の非人道性を訴え、核兵器廃絶のための活動を重ねてきた団体です。

 この日の発進式は、国連の核兵器禁止条約交渉会議議長が同条約の草案を発表(5月22日)したことを受け、条約制定を推し進めるために開いたもの。

 宗教者をはじめ、同委員会の招きで日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の代表や京都の被爆者・被爆2世など合計約40人が参加しました。

 清水寺貫主の森清範さんが開会あいさつ。一燈園(本部・京都市山科区)当番の西田多戈止さんらが発言し、金光教泉尾教会(大阪市)総長の三宅善信さんは「宗教家が一致して核兵器廃絶を訴える意義は大きい。条約実現のために署名活動を応援したい」と訴えました。

 日本被団協事務局次長で被爆者の木戸季市さんが講演し、「日本国内では過半数の署名を目指し、条約に背を向ける日本政府の姿勢を変えさせたい。宗教界が『やりましょう』と声を上げてくれることは、大きな力になる」と述べました。

 参加者は門前で、参拝客らに「核兵器をなくす署名です」「被爆者にならないために署名を」と呼びかけました。