向日市は巡回バスの運行を求める市民の声に背を向けています。市長選(4月19日告示・26日投票)に出馬表明した「新しい民主市政をつくる市民の会」のさくらだ忠衛ただえさんは、「市のやる気次第でできる。住民の声を受け止めるべき」と訴え、実現へ奮闘しています。

請願2度採決も市は実施せず

利用者の願いを聞く、さくらだ候補利用者の願いを聞く、さくらだ候補

 同市は中央部を南北に阪急、JR線が走りますが、バス路線が少なく、周辺部の住民にとって西部の市役所などにアクセスする巡回バスの実現は切実な要求です。
 1995年に巡回バスの運行を求める請願が全会一致で可決されたものの2003年に「市内巡回バスを実現する会」が発足しました。同年、約4000人分の署名とともに請願が再度出されて採択されましたが、市は「交通空白地域はない」として必要性を否定。住民運動におされて11年から公共交通検討委員会を設置しましたが、市内道路の狭さを理由に、実施を先延ばししています。
 市南部の菱川地域。バス停はありますが、西部を通らない1路線のみでダイヤは2時間に1本。市役所や医療機関へは乗り換えが必要で、市役所まで片道1時間以上かかります。バス停に杖をついてきた女性(79)は、「腰がしびれて歩きづらいのに、バスを何度も乗り換えるのはつらい。市はいつまで待たせるのか」と語ります。
 同会の市田花子事務局長は、「市にやる気さえあれば実現できる。住民の願いをしっかり受け止めてほしい」と話します。

“住民の足”として必要

=さくらだ忠衛さんの話= 「実現する会」はコミュニティバスを運行している各地の自治体を視察し、市の老人福祉センター利用者のために運行されているバスの活用など、予算をかけずに実現できるやり方を提案していますが、市はまともに取り合っていません。2度も請願が採択されていながら実施しないのは重大な問題です。巡回バスの実現を第一に、住民の足の確保に全力を尽くすべきです。(「週刊しんぶん京都民報」2015年3月15日付掲載)