神泉苑 京都の多くの名所旧跡、寺社や公園の紅葉も紅に染まり始め、いよいよ紅葉一色に彩られます。二条城の南側にある神泉苑の庭園の紅葉も青から紅色に変わり始めました。
 神泉苑は794年(延暦13年)の平安京建設のおりに、大内裏南方の湿地帯(沼沢)を利用して造園されたと伝えます。常に清水が湧いていたので神泉苑と命名。造園当時は苑内は乾臨閣、滝殿、釣殿などや水鳥や野鳥が飛び交う大池や中島もある広大な境域があり(禁苑で一般庶民の入場は禁止)、天皇や貴族が船遊び、観花や弓射などの遊宴を催していました。824年(天長元年)はひどい干ばつが襲い、空海が善女龍王を祀って祈雨を修して霊験があったとか。以来、雨乞いの霊場修業の寺院として真言宗に属し今日に至ります。毎年、神泉苑狂言(登録無形民族文化財指定)も執り行われています。
 写真は神泉苑の池にかかる朱色の法成橋(ほうじょうはし)です。願い(一つだけ)を念じながら渡り善女龍王にお願いすると叶うと言われています。神泉苑の紅葉狩りは今月下旬にかけて見頃になるでしょう。地下鉄東西線二条城駅からすぐ。無料。(仲野良典)