山科の地蔵盆 京都市山科区の地蔵盆を紹介するパネル展「山科お地蔵さん巡り」が25、26の両日、同区の京都トヨペット2階で開かれ、区民ら百数十人が参加しました。同区民らでつくる「ふるさとの良さを活かしたまちづくりを進める会」の地蔵調査部会が、昨夏に172カ所を調べた結果や写真を展示したものです。
 同ふるさとの会は、山科に住んでいる人が地元の自然や歴史、伝統、文化をより深く知り、町づくりに活かそうと2007年に結成され、現在会員は170人。会員らの要求に基づいて、古文書学習会、山科を歩く会、自然観察会など8部会で活動しています。
 地蔵調査部の12人は、地域の絆を見直そうと、区内の地蔵盆や大日盆、夏祭りの内容を調べてきました。今回の調査では、区内を分担して、お地蔵さんの有無や開催日時、読経や数珠回しの有無、ちょうちんやあんどんの飾り付け、おやつ、遊びの内容などをアンケートで聞き取り、解答のあった160カ所をまとめました。
 調査にあたった野原考喜さん(70)は「山科は新しい町だと思われていますが、地蔵盆は旧町だけでなくマンションや団地などでも大規模に行っておられます。交通安全の標語を子どもに書かせたり、あんどん作りや子どもの絵の展示などよく考えられていました。まだ調査できていない町内もあるので、今年も回る予定です」と話しています。
 パネル展では、地蔵盆の開かれている場所やお地蔵さんの位置が地図に落とされ、地蔵盆の調査結果がグラフや写真で紹介されました。自分の町内の写真を見つけて喜ぶ人や他地域の取り組みに感心する人もいました。30年近く山科に住んでいるという西川壽一さん(70)は、「よく調べたなあと思います。自分の町内の地蔵盆しか知らなかったが、他町内のことが分かり参考になった」と話していました。