マンサク 早春に一番早く花を咲かせ、春を告げるマンサク(満作:落葉小高木で花期は1月~3月:マンサク科マンサク属:Hamamelis japonica)が各地で満開になっています。写真は大津市びわこ文化公園にある茶室「夕照庵」のマンサクです。近江八景のひとつ「勢多(せた)の夕照」にちなんで命名されたお茶会や歌の会、生け花など伝統的文化活動にふさわしい場できれいな日本庭園がこころ癒してくれます。
 和名のマンサクの由来は春一番に東北方言「まんず咲く」や「まず咲く」、黄金の花をいっぱいに付けるので「豊年満作」などの説があります。兄弟にはマルバマンサク、ニシキマンサク、シナマンサクのほか、真っ赤な花をつけるアカバナマンサクなど園芸品種も多いです。いずれも写真のような独特の黄色い花をつけます。
 花は長さ1~1.5センチほどのクシャクシャした帯状の黄金の美しい花弁が4個です。開花して少しずつ伸びるとても不思議な花でかわいいです。雄しべ4個に仮雄しべが内側に4個 、先の葯は赤黒で雌しべは1個です。実が熟すと黒い種を2個はじき飛ばします。花言葉は「幸福の再来」。(仲野良典)
「まんさくや 小雪となりし 朝の雨」(水原秋桜子(みずはらしゅうおうし))