セツブンソウ 2月も下旬に入っても小雪がちらつき、まだまだ厳冬の京都ですが、府立植物園の植物生態園(総面積15000平方メートル、植栽植物種数約1000種類)にはセツブンソウ、フクジュソウ、ミスミソウ、バイカオウレンやセリバオウレンなど春を告げる草花が枯れ葉をかき分けて咲き始めました。
 写真はセツブンソウ(キンポウゲ科セツブンソウ属)。ちょうど節分の頃に咲くので「節分草」という名前が付いています。季節名を折り込んだ名前にはハンゲショウ(半夏生)、シュウブンソウ(秋分草)、シュンラン(春蘭)、ヒガンバナ(彼岸花)やフユイチゴ(冬苺)などたくさんあります。
 セツブンソウは日本特産で主に山地の木陰などに群生する多年草です。植物園の生態圏に咲いているセツブンソウも樹木の下に咲いています(写真)が、背が低くて、花はとても小さくて注意深く見つけないと見過ごしてしまいます。
 ところで、写真に写っている5枚の純白の花は花びらのように見えますがこれはガク片。花びらは中心の周りに蜜腺状に変化し黄色の部分です。雄しべの先端(葯=ヤク)は写真のように紫色、高さ5~15センチほどの茎はまっすぐか少し斜めに伸び、葉っぱ緑色です。この小さな花をじっと見つめていると可愛くて魅せられます。そんな可憐な草花なので乱獲などされて自然での自生はほとんど見られなくなって京都府絶滅危惧種に指定されています。移植されて大切に保護されている同植物園も「決して自然に生えているものではありません。最低のルールを守ってください」と呼びかけています。
 生態圏には蕗の薹が群生し、ザゼンソウの新緑の葉が小川に葉っぱを延ばしています。春を告げる草花から3月に入れば春を迎える草花が芽を出し生態圏はいろいろな草花で賑わいます。(仲野良典)