京都市は13日、総額1兆6800億円の2013年度当初予算案を発表しました。これに対して、日本共産党京都市議員団(山中渡団長、15人)は同日、団長見解「2013年度京都市予算案について」を発表しました。以下、全文を紹介します。


一、本日、市長は2013年度京都市一般会計予算案など91件の議案を発表しました。
 国の緊急経済対策への呼応と「京プラン」実施計画の着実な推進を基本に予算を編成したとしています。一般会計は7366億円と昨年から15億円の減、全会計の予算規模は1兆6788億円と昨年度から343億円の減、一般会計の起債(臨時対策債を含む)総額は912億円、市債残高見込みは1兆2600億円となり過去最高となっています。
 2013年度予算は、国が消費税増税や社会保障切捨てなど国民負担増の流れを強めるもとでの予算となります。市民のくらしを守る運動と論戦が強く求められます。
一、予算編成における重要課題の力点のひとつに「福祉、医療、子育て支援、教育の充実」を掲げました。ところが厳しい経済状態を言いながら、12年ぶりに上下水道料金9億3千万円の値上げを計上しました。また、保育料3億1千万円の値上げをはじめ、学童保育利用料、高齢者インフルエンザ予防接種自己負担金、各種文化・スポーツ施設使用料、観光駐車料金など水道料金以外に合わせて4億4千万円の値上げとともに、学校運営費は過去10年間で約10億円削減した現状の継続、市立保育所2園の廃止など公的責任放棄と社会保障、教育を切り捨てる予算となっています。
一、「京都経済の再生と雇用の創出」を掲げていますが、京都市産業技術研究所の独立行政法人化をすすめ、金融円滑化法の廃止に伴う中小企業の支援措置についても、新しい受注機会がある中小企業に限った短期資金制度の創設にとどまっています。また、公約であった「公契約条例」の提案はなく、中小企業団体の強い要望である「中小企業振興基本条例」についても提案はありません。
一、国の地方財政計画による地方財政削減と地方公務員削減がおしつけられています。予算の財源不足対策として引き続き、財政構造改革をすすめ、市職員削減と給与削減、民間障害者福祉施設運営補助の削減など173事業の縮小、効率化による、市民サービス削減、市民の共有財産の売却等で118億円の財政削減がおこなわれています。また、生活保護適正化の名により抑制体制を強化し、敬老乗車証の新たな負担増を狙う検討委員会を設置し、それにとどまらず、債権回収条例を検討し、国保料や市税などの滞納取り立て体制を強めようとしていることは重大です。
一、市民に負担を求める一方で、技術的に未完成の欠陥施設である焼却灰溶融施設の本格稼働経費13億円(7ヵ月分)を計上しました。建設費と高い運転コストは本市財政を大きく圧迫するだけです。計画の中止と契約破棄が必要です。また、リニア新幹線誘致予算が引き続き計上されていますが、リニア新幹線を建設する必要性をまったく説明できず、大義のない計画の誘致活動を続けることは無責任です。
一、市民の運動で、子どもの医療費支給制度の通院医療費支給方法の償還払いの改善、保育所整備、障害者福祉施設整備、介護基盤施設整備、日吉ヶ丘高校のリニューアル整備など前進もあります。また、道路橋梁の耐震対策、トイレ整備など学校維持修繕や市営住宅修繕等、市民にとって必要な事業も組まれています。地域の中小企業発注など地域経済活性化に結びつく施策とすることが必要です。
一、自公の安倍政権は憲法改悪に着手することを公言し、消費税増税、原発推進、生活保護基準の引き下げ等社会保障等の削減をすすめようとしています。先の総選挙で問われた課題の矛盾がいっそう深まっています。参議院選挙、予算市会を控え党議員団は、市民の皆さんと力を合わせ、くらしの向上の願い実現に引き続き力を尽くすものです。