京都平和遺族会は3日、京都市中京区の市職員会館かもがわで市民公開講座「いま、京都の空襲被害を語る」を開き、120人が参加しました。京都に空襲があったことを知ってほしいと今も被害実態を記録に残そうとしている人たちがいることから、戦争について改めて見直そうと企画されたもの。
 「東山・馬町の空襲を語り継ぐ会」の酒谷義郎さんが同会結成への経緯や活動について、「平和の鐘をつく会」の古武博司さんが「京都1200年文化と歴史の中枢を狙った西陣空襲」と題して被害の実態について報告。舞鶴空襲について、学徒動員で被爆した安井享さんが体験を語り、舞鶴空襲編纂委員会の関本長三郎事務局長が「手記と座談会でつづる舞鶴空襲」として記録集をまとめた経過や内容について話しました。参加者らは「京都に空襲がなかったというのはうそ。今こそ証言や記録を残し、すべての戦争被害を語り継いでいこう」と話し合いました。
 京都平和遺族会の23回総会が開かれ、戦没者遺族の思いを語り合いました。サイパン島で戦死した父親や舞鶴の引き上げ港で父の帰りを待った母親などの思い出を語るとともに「憲法9条を変えようとの動きがあるが再び戦争犠牲者を出してはいけない」と決意を新たにしました。
 選出された役員は次の通り。代表世話人=倉本頼一、事務局長=大坪政明、事務局次長=大橋正夫。